Real Estate Investment Trust
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今回は、2006年上場の歴史ある住宅系リートである日本アコモデーションファンド投資法人(3226)の平成28年7月期(第21期)決算をcheckしていきたいと思います。

決算説明会資料
http://www.naf-r.jp/file/ir_library_term-5cae58dc3fecdcb775096a0f4b4b9bc2c6715f32.pdf

主な特徴など

スポンサーは、三井不動産(8801)であり、みんなも一度は住んでみたい、と私が勝手に思っている「パークアクシス」シリーズを主に保有しています。だいたいが取得価格二けた億もする高級賃貸です。第21期に取得したパークアクシス馬込レジデンス、パークアクシス東上野ともに、NOI利回り(鑑定評価ベース)4.7%となっており、現物の個人投資家でしたら、すぐお亡くなりになれる高級感ですが、金利平均0.78 %という利率で借り入れを起こせるというのが強みです。

直近の業績は?

5ページに損益計算書が掲載されています。平成28年7月期(第21期)は、新規に3物件を取得したことにより+87百万円の増収しています。また、既存物件でも+101百万円といった増収を達成しています。これについて、内容が語られていないのですが、特筆していないところを見ると、単に繁忙期である3月の礼金とかでしょうか。決算短信を見ても、内訳が見当たりませんでした。

(単位:百万円)
第20期 第21期
実績 実績 前期比
営業収益 10,433 10,621 +188
営業利益 4,531 4,567 +36
当期純利益 3,893 3,939 +45
一口当たり分配金 8,036円 8,130円 +94

結果的に、平成28年7月期(第21期)の分配金は、7,870円から8,130円に増額修正となりました。

11ページには、稼働率と賃料水準の推移が示されています。稼働率は、2014年からの流れを見ても、現在の水準が巡航ペースのようですが、賃料坪単価は少しずつ上昇しています。12ページを見てみますと、第21期には、6割近いケースで賃料の増額入居となっています。

今後の見通し

続く平成29年2月期(第22期)は、家賃等である営業収益は、減益が予想されています。第21期に取得した物件の通期化といった増収はあるのですが、第21期で生じた既存物件の+101百万円がなくなり、逆に前期比▲120百万円となりますための減益です。ですが、営業費用における賃貸諸費用が前期に比べて少なくなるため、営業利益は増となります。

(単位:百万円)
第21期 第22期
実績 予想 前期比
営業収益 10,621 10,521 ▲99
営業利益 4,567 4,586 +18
当期純利益 3,939 3,997 +58
一口当たり分配金 8,130円 8,250円 +120

このため、分配金は、前期比120円の8,250円になると予想されています。ただ、この第22期の営業費用には、まだ第21期の物件取得で増えることになる固都税が含まれていませんので、続く第23期の営業費用は、さらに増えると見込んでおく方がよいですから、そのほかの要因がヨコヨコであれば、営業利益以下は、減益となり、分配金も減るはずです。巡航ペースの分配金は、8,250円以下ということになります。

こうして見てみますと、比較的おしなべて安定しているように思えますが、説明資料の18ページにもありますように、2008年から過去5,6回は前期比で分配金額減となっていますし、着実に増えているとはいえ、2008年から2016年までかけて分配金は、1,000円程度上昇している程度ではあります。ある意味、まさに安定しているとも言えます。

この法人の主要物件は、「パークアクシス」シリーズですし、そうあることを宿命づけられた投資法人でもあります。「パークアクシス」シリーズは、基本的には、高級賃貸だと思いますので、そうそう高利回りな価格での取得は難しいと思いますし、なにしろ投資法人自体が歴史ある法人ですから、稼働率や借入金利などもだいぶ収斂してきているような印象です。

上にも下にもそんなにブレることのない運営が期待できる反面、この銘柄でひと旗立てるというよりは、ポートフォリオの中の安定系な役割を担うといったところかと思います。

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