Real Estate Investment Trust
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本日は、1月決算銘柄であるいちごホテルリート投資法人(3463)の28年7月(第2期)決算を確認していきたいと思います。こちらは、上記の記事で18日現在の利回り4.56%とされています。

決算説明資料
https://www.ichigo-hotel.co.jp/irinfo/pdf/IchigoHotel_20160914_Corporate_Presentation_JPN.pdf

ホテル運営状況のお知らせ(月次稼働率)
https://www.ichigo-hotel.co.jp/module/_newsPdfHotel/2866171/IchigoHotel_20161226_Monthly_Operating_Results_JP.pdf

こちらの法人のスポンサーは、いちご株式会社(2337)です。ほかに、いちごオフィスリート(8975)を運営しています。わたしも過去に保有していましたが、はじめのうちは、恐る恐る投資といった形で、その運営状況を追っていたわけですが、比較的堅実な運営をしておりました印象です。

さて、28年7月(第2期)決算ですが、まだ第2期目を終えたということですから、通期で複数期を比較することができないのですが、第2期は、7ページの決算概要を見てみますと、物件取得による増益となり、1口あたりの分配金2,825円としています。これは、予想よりも370円増となっており、ホテル変動賃料の増加で+43百万が寄与しています。

このホテル変動賃料の増加だけで、分配金が370円も増えるというのは、他の今まで見てきました住宅系やオフィス系にないすごみを感じませんか。

ちなみに、この変動賃料というのは、賃料が定額ではなく、ホテルの業績が増えれば賃料も上がるといった、景気が良いときには、威力を発揮しやすい賃貸契約です。

また、こちらの法人の強みは、11ページにもありますとおり、28年8月時点でのLTVがいまだ37.7%ということで、借入金による物件取得余地がまだまだ残されているという点です。14ページにある平均鑑定NOI利回り5.7%という数字は、リートの中でも高い方ですから、今後の外部成長による分配金増が期待されるところです。

もともと、ホテル系リートは、NOI利回りが高めです。また、バリバリの景気敏感銘柄となりますので、景気回復局面では、強さを発揮してもらわなければなりません。逆に景気後退局面で、どうなりやすいかは言わずもがなでもあります。このことは、以前の記事でも取り上げております。

ホテル専門系リートのちょっとした歴史と激しい株価の変遷

保有しているホテルをざっと見ても、ジャパンホテルリート(8985)のように、ラグジュアリーな面々ではなく、いわゆるビジネスホテル系がほとんどかと思われますため、ビジネス客の動きに左右されるものと思われます。ただ、ジャパンホテルリート(8985)星野リゾート・リート投資法人(3287)と比べても、NOI利回りはおとなしめですし、リゾート物件と比べれば、多少景気後退期には耐える力はあるのかもしれません。

今後はどうなる

続く29年1月(第3期)ですが、24ページにありますが、物件取得効果が続き、1口あたり分配金も引き続きの増で2,917円を予想しています。ただ、ホテル系リートでは、毎月の稼働率をcheckすることができるのですが、先にリンクをはりました、ホテル運営状況のお知らせ(月次稼働率)を見ても分かりますように、変動賃料の12ホテルについては、すでに稼働率90%を超えており、全体としても90%近い稼働率となっているため、これ以上の上昇余地が限定的ではないかと思われます。

法人としても、内部成長の一環として、稼働率90%を超えるホテルについては、倉庫などの空きスペースを客室にするなど、涙ぐましい努力もしているようです。また、決算短信の15ページを見てみますと、もともと29年1月(第3期)の業績予想は、稼働率89.1%、ADR8,339円の前提でなされていますが、11月現在では、稼働率はわずかに上回り(89.3%)、ADRも8,434円ということです。

上記からしてみますと、まだ若干予想を上回る分配金となる可能性があろうかと思われますが、サプライズとまではいかないでしょう。

わたしが気になるのは、さらに次の期である2017年7月期ですが、1口あたり分配金2,838円と予想されています。保有物件の変動賃料収益の見直しにより、もともとの予想である2,609円を上方修正しています。さすがホテル系リートといったところですが、これでは、まだ第3期を下回ってますので、外部成長としての物件取得次第かと思われます。

こちらの法人は、まだ有利子負債比率が、30%台ということで、まだ借金による物件取得余地が残されています。いろいろ言われておりますが、そうは言ってもまだ低金利での借り入れは可能でしょうから、今後の外部成長、分配金の増に期待したいところです。

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