今回は、オフィス系リートのインベスコ・オフィス・ジェイリート投資法人(3298)の第5期(2016年10月期)決算をcheckしていきたいと思います。
決算説明会資料
http://www.invesco-reit.co.jp/file/top-c3966a987dbafd9dff37baeb0caf79a180f837b2.pdf
主な特徴など
インベスコ・オフィス・ジェイリート投資法人(3298)は、2014年に上場となったオフィス特化型のリートです。資産運用会社は、インベスコ・グローバル・リアルエステート・アジアパシフィック・インクという長い名称ですが、スポンサーは、独立系運用会社インベスコ・リミテッドとなっています。
このインベスコ・リミテッドは、ニューヨーク証券取引所に上場されています(S&P500種株価指数の採用銘柄)。同じグループ企業には、インベスコ・アセット・マネジメント株式会社もあり、日本で投資信託を運用したりもしています。
直近の業績は?
第5期(2016年10月期)の業績は、説明会資料の9ページです。
(単位:百円) | |||
第4期 | 第5期 | ||
実績 | 実績 | 前期比 | |
営業収益 | 4,183 | 5,684 | +1501 |
営業利益 | 1,730 | 2,597 | +867 |
経常利益 | 1,463 | 2,230 | +767 |
当期純利益 | 1,462 | 2,229 | +767 |
一口当たり分配金 | 2,697円 | 2,733円 | 36 |
第5期は、28年6月に5物件を新規に買い入れましたので、賃貸収入が増となっています。また、水道光熱費を大幅に抑え、賃貸収益費用が縮減されたため、影響利益以下も増益となっています。
これらのことが寄与し、分配金は前期比36プラスとなりました。
今後の見通し
次に、第6期(2017年4月期)の業績予想が説明会資料の10ページにあります。
(単位:百万円) | |||
第5期 | 第6期 (2017年4月期) |
||
予想 | 予想 | 前期比 | |
営業収益 | 5,684 | 6,519 | 835 |
営業利益 | 2,597 | 3,236 | 639 |
経常利益 | 2,230 | 2,873 | 643 |
当期純利益 | 2,229 | 2,872 | 643 |
一口当たり分配金 | 2,733円 | 3,523円 | +790 |
第6期は、引き続き営業収益が増え、第5期のような公募増資による口数の増加もありませんので、この営業収益の増が一口あたりの分配金に大きく寄与しています。790円もの増加ですね。
ですが、このことは、以前にも記事にしておりますが、第6期には、トリトンスクエアZ売却益の売却益(+783百万)が含まれていますので、第6期だけの特別な利益となります。トリトンスクエアZの売却益を除いたら、分配金2,687円となっていたようですので、これは第4期の水準ですね。
このトリトンスクエアZを28年12月に売却し、29年1月に錦糸町プライムタワーを買い入れる物件入替を実施しています。もしこの物件入替を行わなかったら、分配金は、2,572円となっていたので、やってよかったよねということが説明会資料の18ページに書かれているので、注目です。
さて、注目されるべきは、次期である第7期(2017年10月期)でしょう。新規5物件の固都税は、この第7期から始まります。そうなると、錦糸町プライムタワーの通期寄与もあるわけですが、固都税の伸び(143百万)を吸収できるとも思えませんので、第4期分配金である2,697円と同水準からそれ未満となるのではないでしょうか。
稼働率の低下
また、説明会資料の33ページには、第5期から第6期にかけての稼働率の推移と予想が掲載されています。第6期は、複数のテナント退去が予定されており、第5期には、全体稼働率99%程度だったものが、第6期には95%台にまで低下する見込みです(恵比寿プライムスクエア及び仙台本町ビル、恵比寿プライムスクエア及び名古屋プライムセントラルタワー)。
物件の売却益に隠れていますが、巡航収益は低下すると見込んで業績予想がなされているのですが、逆に言えば、これらのリーシングが順調に実施された場合は、収益が上振れる可能性もありますね。
直近のリリース
なお、直近29.3.30のリリースにてアクア堂島東館を日本ビルファンド投資法人(8951)から取得することが発表されました。20億円程度の物件ですから、インベスコ・オフィス・ジェイリート投資法人(3298)のポートフォリオの中でも最も小ぶりです。
手元資金での取得とのことですから、そのまま92百万程度の営業収益の積み上げとなります。
資産の取得に関するお知らせ(アクア堂島東館)
http://www.invesco-reit.co.jp/file/news-455d06ddc2398e748aec3a30a0862513185d8a2c.pdf
主な投資指標
最後に、主な投資指標です。
29.4.6現在の投資口価格98,500で、直近の物件取得を考慮し、第4期の分配金2,697円を巡航分配ペースと仮定します(さらなる物件取得やリーシングの進捗は見込まず。)。その場合、分配金利回りは、約5.4%となります。本決算時点でのNOI利回り(取得価格ベース)は、約4.9%です。また、japan-reitで公表されているNAV倍率は、0.85%です。
また、当期純利益と減価償却費の合計値であるFFOは、年間5,880,708千円でありますから、1口あたりFFOが7,210円程度となり、投資口価格の約7.3%です。
決算短信
http://www.invesco-reit.co.jp/file/top-5fc02d30613af26de91bad72855ea0dabe267610.pdf
賃貸NOI(半期) 3,797,502千円
取得価格総額 154,207,000千円
FFO(半期) 2,940,354千円
口数 815,547口
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