Real Estate Investment Trust
3CoEETpvQYO8x60lnZSA_rue
 

昨日、新築アパートの建築ラッシュで、住宅系リートに少しは影響があるのではないかという内容の記事を書きました。

アパート新築ラッシュと住宅系Jリート(REIT)のこと。

今回は、比較的小ぶりなマンションを保有しているスターツプロシード投資法人(8979)あたりの決算報告書を見てみたいと思います。以下の法人ページの最新報告書である21期(2016年4月期)を見てみたいと思います。

http://www.sp-inv.co.jp/ja/ir/library.html

小ぶりマンションほど個人事業主や地主が建てる新築アパートの影響を受けるのかなあという感触をもとに見てみます。

あと、こちらの法人のスポンサーは、スターツグループでありまして、皆さんもご存じ仲介ショップのピタットハウスを運営している会社です。ということは、ある程度、自分のところのマンションが管内にあれば、優先的に客付けしてしまうということもできそうです。

そういうこともあって、個人的にこの法人稼働率は過去より堅調に推移してくるんだろうなあという安心感があったものです。

そんな法人の21期(2016年4月期)レポートを見てみますと、4ページに掲載のある実績ベースでおおよそ27年度下半期では、賃料の伸びは確保しているものの、前期(+11)と比べてみると、伸びは鈍化(+5)しています。

http://www.sp-inv.co.jp/file/ir_library_term-ba306628602a7ee2d9129a97e7f0b57b0c6475d3.pdf

また、礼金と更新料は、-4百万ということでよろしいでしょうか。若干レポートの見方があやしいかもしれませんが、少なくとも礼金と更新料が前期よりも取れなかったことが考えられます。

なお、稼働率は、28年3月に97.4を記録するなど、悪くはありませんでした。ここら辺をどう見るかですが、賃料は比較的リノベーションなどをして、部屋のレベルを上げれば維持できる場合が多いので、修繕費用が年々増えているところを見ると、頑張って賃料維持に努めているのかもしれません。

礼金と更新料は、そのあたり、なかなか難しい世の中になってきていますし、礼金に固執していては、他のアパートにお客をとられてしまいますので、礼金を低くして募集したり、サービスしたりというのは、いまの賃貸市場では当たり前になってきています。

全体としては、広告費などの経費減とか融資費用の減により、分配金増を達成しています。続く、22期予想では、5ページの掲載で、費用が増加一方で物件を取得したことによる収入増で分配金も微増するとのことです。

【以下、28.12.21追記】

そして、次に続く22期(2016年10月期)レポートも見てみましょう。
http://www.japan-reit.com/kaiji/8979/2016/20161221461466.pdf

4ページの22期実績を見てみますと、賃料が前期比で+8百万となっていますが、22期予想との比較では、マイナスの7百万となっていますね。これは、前期のレポートで22期は、賃料が+15百万となると見込んだが、実際は、+8百万にとどまったということです。

35ページにある個別物件の収益を見てみますと、プロシード筑波学園都市の収入が前期比3百万下がっています。稼働率の低下もこの物件が7割と下がっていることが大きいのですが、ただ、7百万の見込み違いとは別に、あと4百万も収益が下がっているのは、原因が気になるところです。賃料を値引いてリーシングせざるを得なかったのかどうかです。

さて、収益全体としては、更新料と原状回復費用(敷金など)が想定以上だったことで、何とか収入減は避けたものの、危ないところでした。また、経費では、修繕費が予想よりも+9百万もかかった一方で、光熱水費用を抑えたことで、こちらもなんとかしています。

住宅系リートを見ていく際には、稼働率だけではなく、賃料の推移やそれにかかる修繕費(リフォームコスト)の面も見ていく必要があります。修繕費をかけても、このまま賃料が下がっていく傾向にあるなら、物件の入れ替えや追加取得を考えていかねばなりません。

その対応がちゃんとできている法人かなあなんてことを見ながら長期的に見ていくといいのではないでしょうか。ほかの住宅系リートもこのような感じで確認していくとよろしいのではないでしょうか。

スポンサーリンク

コメント

この記事へのコメントはありません。

コメントする


※メールアドレスは公開されません。