Real Estate Investment Trust
photo-1420819453217-57b6badd9e19
 

本日は、住宅系リートの旗艦銘柄でもありますアドバンス・レジデンス投資法人(3269)第12期(2016年7月期)をみていきたいと思います。2017年1月には、決算となります。
http://www.adr-reit.com/src/2016/09/26c79cd9342f87c59a1537e5f009d728.pdf

6ページの運用ハイライトには、堂々と高稼働率の維持及び賃料上昇と大きく書いてありますね。自信満々です。ただ、高稼働率だから賃料総額が上昇しているという意味なのか、高稼働率かつ賃料上昇なのか、それぞれの意味合いは少し違います。

ただ、この投資法人のすごみは10ページにありましたね。テナント入替や契約更新時の賃料改定がはっきりと書いてありました。特に、入替実績では、774戸中54.2%もの比率で賃料が上昇しているとのことです。

さらに11ページには、ポートフォリオ全体の賃料増減率推移がありますが、2016年7月には、特に顕著な伸びとなっているようです。新築アパートが次々と投入される中で、この結果は、立派なのではないでしょうか。

少なくとも相続税対策など個人レベルで増加する物件とは層の違う、一段高いレベルの物件を保有しており、競合しにくいということなのではないでしょうか。また、居室のリノベーション工事の規模も13ページにありますように、1室3百万とか6百万とありますね。これは明らかに個人大家とは異なる規模です。

2017年1月の業績はどうなるか

では、来月に迫っている2017年1月の業績予想がどのようになっているのかをみていきましょう。26ページに2017年1月とその次の7月の業績予想が掲載されています。これによると、費用が増加し、営業利益は前期よりも下がると予想されていますが、このあたりも前期と同様で原状回復費用の適正化ということで、上振れる可能性はあります。

また、支払利息の減少がとても効いていますね。これは、2017年7月もさらに負担が減少するようです。さらに、積立金取り崩しを行い、最終的な分配金は引き続き増えることになっています。

この積立金は、335億あるとなっていますが、過去に合併した際の負のれんと言われるものです。この「負ののれん」とは、買収される側の時価の純資産額よりも、実際の買収金額が少ない場合の差額のことです。簡易的に言ってしまえば、ある法人の本来の価値より、割安な価格で買収することができた場合に発生するものです。

具体的には、2010年に日本レジデンシャル投資法人と合併した際にできたもので、他の投資法人では、物件を損切りする際に同時に取り崩すことで、分配金をキープするということで使われることがよくありました。

ですが、アドバンス・レジデンス投資法人(3269)では、25ページに書いてありますように、今後50年にわたって、分配金に上乗せし続けていく方針にしたようです。これは、私も今日知りました。

そして、26ページに戻ってみると、2017年1月期から取り崩しが始まり、単純な分配金は、前期を下回りますが、取り崩し分を足し合わせて、前期よりも85円増となるようです。

いかがでしたでしょうか。全体的に、このような決算報告書を書けると、決算説明会でも困らないだろうなという内容だったように思います。来期の業績も順調に推移することと思われます。

スポンサーリンク

コメント

この記事へのコメントはありません。

コメントする


※メールアドレスは公開されません。