Real Estate Investment Trust
mtNrf7oxS4uSxTzMBWfQ_DSC_0043
 

本日の東証リート指数は、先週末の戻り基調を引き継いだ形で寄り付きは上昇しておりましたが、上がり一服すると、じりじりと日中をかけて下落で、前日比-9.74。

全体としては、上昇銘柄31、下落銘柄17、変わらず5となりました。個別銘柄では、主要銘柄である日本ビルファンド投資法人(8951)-5.03%と大幅下落。同じ大型オフィス系リートであるジャパンリアルエステイト投資法人(8952)-4.32とそろって1,2位の下落幅となりました。総じてオフィス系は売られていましたが、この主要2銘柄の下げがきつかったです。

東証リート指数 1634.37(前日比-9.74)
日経平均 18,890.48(前日比-245.84)
TOPIX 1,537.05(前日比-12.75)

8月31日 ユナイテッド・アーバン投資法人(8960)PO発表
http://www.united-reit.co.jp/site/file/tmp-m29R4.pdf

国債先物が続伸で引け、長期金利0.375%に小幅低下(ロイター)
http://jp.reuters.com/article/2015/08/31/idJPL4N1162DB20150831

 現物市場は先物高を受けて長期ゾーンがしっかり。10年最長期国債利回り(長期金利)は同0.5bp低い0.375%に小幅低下。超長期ゾーンは日銀買い入れや月末のエクステンションから買いが入る場面もあったが、終盤売りに押された。(2015.08.31 ロイター)

※日々のリート指数などはサイドバーのDay Reit(ツイッター)をご覧下さい。→

※週や月間ベースなど指標は、上段メニュー「主要指数&指標」をご覧ください。

===================================================

さて、本日は遅くなりましたが、本日大幅安となりました日本ビルファンド投資法人(8951)の第28期決算資料を見ていきたいと思います。なぜ日本ビルファンド投資法人(8951)かといいますと、良くも悪くも日本ビルファンド投資法人(8951)≒東証リート指数というところもありまして、特に今後のオフィス系リートを考える上でも、やはりチェックしておきたいところかと思うからです。

では、日本ビルファンド投資法人(8951)が8月17日に公表した決算説明資料は以下のとおりです。

2015年6月期 第28期決算説明資料
http://www.nbf-m.com/nbf/ir/files/regurer/presentation_28th_period.pdf

まずは、3ページのこの法人の主な基礎数値です。東京23区投資比率:78.1%で41.9%のLTV(総資産有利子負債比率)、しかも期中平均稼働率:97.9%ということで、これが個人投資家の現物不動産投資だったら、なんとも順調な運営といえるでしょう。加えて、三井不動産グループのリーシングということで、その力は歴然としている感もあります。

分配金の方は、2014年12期(第27期)の7、11ページにおいて、最低の7,681円を記録し、今期第28期で7,787円、続く第29期30期は、7,840円、7,920円と予想しており、ようやく上昇基調となってきました。

先日、これからやってくるオフィスビルの賃貸収益の増加でも書いておりますが、三鬼商事などがまとめているオフィス統計ではすでにオフィス賃料の上昇など環境の改善が目に見えているわけですが、それがなかなか分配金に結びついてこないということで、投資家の失望があったと言われています。分配金だけを見ると、ようやく上昇基調になってきたということになります。

とはいいましても、いろいろとカラクリはありまして、12ページで、その業績の見通しにおける不動産賃貸収入の内訳を見てみましても、既存物件としては、第29期では大型退去により減少、30期でも微減ですが、新規物件分が寄与する形で増ということのようでして、それを第29期では積立金の取り崩しでフォローしたりして、分配金の上昇基調を作るのに苦労している一面も垣間見えます。

法人としても、さすがにそろそろ上昇基調となった分配金を投資家に魅せる必要に迫られているのではないかと思うのですが、29期の大型退去がきつく、新規物件の取得でなんとかしようとしている、そんなところでしょうか。

そのほか、関連で、よい情報としましては、資料の16ページでは、次の29期30期から久々に賃料改定影響がプラスとなる予定とされています。また、15ページでは、29期に発生する大型退去の早期埋め戻しをすでに30期で見込んでいるあたりがオフィス環境の改善を見ているものと言っておきたいところです。

いずれにしましても、苦しいながらもようやく今後の上昇気流を何とか作り出してきたという感じではないでしょうか。このまま、この見通しの基礎となる経済環境に変化が訪れないことを祈りたいですね。

スポンサーリンク

コメント

この記事へのコメントはありません。

コメントする


※メールアドレスは公開されません。