Jリートの銘柄を選ぶ際に、知っておくとちょっと得するかもしれないおすすめのコツシリーズ第2弾です。
今回は、負ののれん銘柄を狙え! です。
負ののれんは、投資法人の判断で取り崩せる内部留保です。
負ののれんがあると有利なワケ
投資法人の中には、負ののれんを持っている銘柄があります。他の投資法人と合併したり、吸収したりといった場合に、割安に取得した分の利益をいいます。
主には、リーマンショックで危機を迎えた投資法人が合併した際に発生したのが負ののれんです。「負ののれん」は、積立金という形で計上しておき、投資法人の判断で取り崩して分配金に積み増すことができるのです。
これがあると何が有利かというと、
- 物件の売却損が発生した際に、同額を取り崩して、分配金を維持する。
- 公募増資による1口あたりの利益の希薄化が発生した際に、相当額を取り崩して、分配金を維持する。
- 継続的に取り崩して、分配金に長期にわたって上乗せする。
コツその1でお伝えしたとおり、安定した分配金を支払う際にも非常に大きな武器になるのがこの負ののれんなのです。
負ののれんの詳しいことをもう少し知りたい場合は、以下をご参照ください。
負ののれん銘柄を紹介
では、現在負ののれんをもつ銘柄を下に掲載します。それぞれの数字は、2018年10月時点での情報です。
投資法人 | 使い方 | 積立額 |
アドバンス・レジデンス投資法人(3269) | 分配金の安定化又は積み増し | 321億円 |
日本リテールファンド投資法人(8953) | 分配金の安定化 | 30億円 |
ユナイテッド・アーバン投資法人(8960) | 分配金の安定化 | 73億円 |
平和不動産リート投資法人(8966) | 分配金の安定化又は積み増し | 18億 |
いちごオフィスリート投資法人(8975) | 分配金の安定化又は積み増し | 104億 |
大和ハウスリート投資法人(8984) | 分配金の安定化(正ののれんと相殺) | 127億円 (正ののれん733億円) |
ジャパン・ホテル・リート投資法人(8985) | 分配金の安定化又は積み増し | 131億円 |
日本賃貸住宅投資法人(8986) | 分配金の安定化又は積み増し | 66億 |
上記の銘柄のうち、大和ハウスリート投資法人(8984)は、負ののれんがある一方で、逆の正ののれんもありますので、負ののれんは打ち消されることに留意ください。
また、負ののれんのある投資法人は、安定性があるということですが、すでに投資口価格に織り込まれているでしょう。2018年10月時点で、株探に掲載されている分配金一覧では、負ののれん銘柄のうち、日本リテールファンド投資法人(8953)の4.39%が最も高い利回りでした。
ポートフォリオのリスクを下げたい場合に、組み入れることも一手かと思います。
圧縮積立金もある
さて、この負ののれんと同じような効果をもつ方法があります。物件を売却した利益をその期に全部分配金に乗せてしまうのではなく、圧縮積立金として留保しておき、適切な期で積立金を取り崩して、分配金を積み増すことができるようになっています。
こうした積立金の有無は、法人の決算説明会資料や決算短信の貸借対照表を見れば、分かります。こうした積立金をうまく使っている法人は、分配金の安定性があると言えるでしょう。
- 負ののれん銘柄は、安定した分配金の支払いが可能。
- 圧縮積立金も同様の機能を有する。
- 投資口価格に織り込まれている可能性が高いので、ポートフォリオのリスクを下げるときに購入を検討。
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