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今回は、物流施設型リートの産業ファンド投資法人(3249)の第19期(2016年12月期)決算をcheckしていきたいと思います。

決算説明会資料
http://www.iif-reit.com/upd3/ir_library/pdf/ir13158AA9D857C0C21.pdf

主な特徴など

産業ファンド投資法人(3249)は、平成19年に上場された比較的ベテランな投資法人です。資産運用会社は、三菱商事・ユービーエス・リアルティ株式会社であり、資産運用会社の株主構成員は、三菱商事 51%、UBS Asset Management AG 49%となっています。

投資対象としては、物流施設及び工場・研究開発施設等並びにインフラ施設などの産業用不動産に投資し、運用を行います。羽田空港のメンテナンスセンターを日本航空に賃貸しており、日本航空が破たんしたときには、その投資比率が大きなものであったため、退去による大幅減額リスクが心配されたものです。

 

直近の業績は?

では、第19期(2016年12月期)の業績ですが、決算説明会資料の27ページに掲載されています。

(単位:百万円)
第18期 第19期
実績 実績 前期比
営業収益 7,886 8,069 +183
営業利益 4,338 4,416 +78
経常利益 3,382 3,443 +61
当期純利益 3,381 3,442 +61
一口当たり分配金 9,590円 9,768円 +178

第19期(2016年12月期)は、増収増益となり、前期に取得した物件の通期寄与及び第19期に取得したIIF 加須ロジスティクスセンターなどの新規物件による賃料増加です。東雲R&DCの売却による利益もあるのですが、うち+46百万円分のみの寄与となります。

一方で、売却した東雲R&DCの賃料減や2015年に取得した固都税の費用化による減益もありました。

 


今後の業績予想

次に、第20期(2017年6月期)及び 第21期(2017年12月期)の業績予想ですが、決算説明会資料の28ページに掲載されています。

(単位:百万円)
第19期 第20期
(2017年6月期)
第21期
(2017年12月期)
実績 予想 前期比 予想 前期比
営業収益 8,069 10,047 +1,978 8,940 △1,107
営業利益 4,416 5,741 +1,324 5,036 △704
経常利益 3,443 4,580 +1,137 4,039 △541
当期純利益 3,442 4,579 +1,137 4,038 △541
一口当たり分配金 9,768円 11,538円 +1,770 10,173円 △1,365円

第20期(2017年6月期)は、大幅な増収増益に見えますが、これには、決算期変更(6ヶ月→7ヶ月)による月数差異分が含まれていますので、+1,290百万円は、差し引いて考慮する必要があります。

実際の増収額としては、29年2月に実施した公募増資による物件取得12件分の増額から東雲R&DC売却による賃料減を差し引いた640百万円が純粋な増収額となります。

次に、第21期(2017年12月期)には、決算期変更による期間が6か月へと正常化されますので、大幅な減収減益となる予想です。ただし、この影響を除けば、前期に取得した新規12物件の通期寄与があり、+171百万円の増収となる見込みです。

JREIT初の工場物件の取得

第20期では、Jリートでは、初めてとなる工場物件の取得を行うこととなっています。IIF横須賀テクノロジーセンター及びIIF湘南テクノロジーセンターですが、あともう2物件は、底地を取得するとのことです。

今までに、研究施設案件の取得は、あったのですが、工場の取得は初めてのこととなります。工場は、賃借人である会社がその地での生産をやめるとなれば、稼働率0%となるわけですから、そういった面でのリスクはあろうかと思いますが、多様な物件を取得していかなければ、ある程度の賃料を確保することが難しくなってきているのではないでしょうか。

主な投資指標

最後に、主な投資指標です。

29.7.25現在の投資口価格505,000で、第21期の予想分配金10,173円を巡航分配ペースと仮定します(さらなる物件取得やリーシングの進捗は見込まず。)。その場合、分配金利回りは、約4.0%となります。本決算時点でのNOI利回り(取得価格ベース)は、約5.1%です。また、japan-reitで公表されている直近NAV倍率は、1.34%です。

また、当期純利益と減価償却費の合計値であるFFOは、年間9,053,640千円でありますから、1口あたりFFOが25,679円程度となり、投資口価格の約5.0%です。

決算短信
http://www.iif-reit.com/upd3/ir_library/pdf/ir49858A547FA7D2F56.pdf

賃貸NOI(半期) 6,355,378千円
取得価格総額 246,549,000千円
FFO(半期) 4,526,820千円
口数 352,564口

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投資主の状況

個人・その他 5.4%
金融機関(証券会社含む)69.5%
その他国内法人 5.4%
外国人 19.7%

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