今回は、オフィス系リートのトーセイ・リート投資法人(3451)の第4期(2016年10月期)決算をcheckしていきたいと思います。
決算説明会資料
http://www.tosei-reit.co.jp/file/top-867a6090eaa4df656bcaae205be668aef43e8aab.pdf
主な特徴など
トーセイ・リート投資法人(3451)は、2014年に上場となった総合型のリートです。総合型ということなので、オフィス、商業施設、住宅を組み合わせて運用しています。
スポンサーは、トーセイ(8923)であり、旧東誠不動産ですね。同社は、不動産流動化や不動産開発などを手掛けています。もともと、オフィス、商業施設、住宅の流動化や開発に携わってきた会社であり、そのノウハウをリートに活かすということでした。資産運用会社は、トーセイ・アセット・アドバイザ-ズ株式会社です。
直近の業績は?
では、第4期(2016年10月期)の業績ですが、説明会資料の7ページに掲載されています。
(単位:百円) | |||
第3期 | 第4期 | ||
実績 | 実績 | 前期比 | |
営業収益 | 1,245 | 1,337 | +92 |
営業利益 | 613 | 643 | +30 |
経常利益 | 517 | 543 | +26 |
当期純利益 | 516 | 542 | +26 |
一口当たり分配金 | 3,208円 | 3,371円 | +163 |
28年8月に取得した西台NCビルの収益寄与及び既存の住宅系アセットの稼働率が向上したことによる営業収益の増とのことです。
第4期末保有18物件の平均鑑定NOI利回りは6.17%を維持とありますが、高い方だと思います。これは、不動産鑑定評価額と収益との関係で算出されます。
物件が地方にあるから、というわけでもなく、東京経済圏(埼玉・千葉・神奈川~都心から概ね30km圏内)にフォーカスとありますので、上場当時からの物件もそれなりの収益性のある物件をトーセイ案件から持ってきたということでしょう。
今後の見通し
次に、第5期 (2017年4月期)以降の業績予想です。8ページに掲載されています。
(単位:百万円) | |||||
第4期 | 第5期 (2017年4月期) |
第6期 (2017年10月期) |
|||
実績 | 予想 | 前期比 | 予想 | 前期比 | |
営業収益 | 1,337 | 1,564 | +227 | 1,575 | +11 |
営業利益 | 643 | 750 | +108 | 727 | △23 |
経常利益 | 543 | ||||
当期純利益 | 542 | 615 | +73 | 588 | △27 |
一口当たり分配金 | 3,371円 | 3,359円 | △12 | 3,211円 | △148 |
続く、第5期 (2017年4月期)では、28年10月に実施した公募増資による物件取得によって、賃貸事業収入が増え、増益となりますが、1口あたりの分配金は、12円の減となるものと見込まれています。
同じ4月決算銘柄であるスターツ・プロシード投資法人(8979)もそうでしたが、28年10~11月というのは、東証リート指数全体が軟調な時期で、一時1700を割るかということもあった頃でした。
第6期は、第4期及び第5期で取得した6物件の固都税が開始となり、賃貸事業費用が増加し、営業利益減となりますことから、1口あたり分配金も前期比-148円との予想ですね。
このように公募増資後の分配金が下がり続けていますので、投資家から見ると、良くなかった増資と言われてもやむを得ないところかと思います。
主な投資指標
最後に、主な投資指標です。
29.4.14現在の投資口価格102,700で、直近の物件取得を考慮し、第6期の分配金3,211円を巡航分配ペースと仮定します(さらなる物件取得やリーシングの進捗は見込まず。)。その場合、分配金利回りは、約6.2%となります。本決算時点でのNOI利回り(取得価格ベース)は、約5.2%です。また、japan-reitで公表されているNAV倍率は、0.86%です。
また、当期純利益と減価償却費の合計値であるFFOは、年間1,422,376千円でありますから、1口あたりFFOが8,834円程度となり、投資口価格の約8.6%です。
決算短信
http://www.tosei-reit.co.jp/file/top-e63e24e6ceefdd17963e6751af8abf87112fd8bd.pdf
賃貸NOI(半期) 814,008千円
取得価格総額 30,839,000千円
FFO(半期) 711,188千円
口数 161,000口
・本業は燃えているか? 本業の収益力をはかるNOI利回り。
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