Jリート(REIT)入門なので、書き手の私的な考えは書かないわけですが、最後に、Jリート(REIT)の基礎的な事項を理解した皆さんには、管理人tisanがなぜこの10年間リート(REIT)投資をしてきたかという理由をお伝えしておこうと思います。
一般の株式も保有していますが、多くはリートで投資をしてきました。その意味では、分散投資はしていません。
私がリート(REIT)に投資をしてきた理由
投資信託協会であげられているメリットには、いくつもの例外や意味合いが含まれていることがご理解いただけたと思います。一般に売られている投資本にいいことが書かれていたとしても絶対ではありませんよね。
このように、そもそものリスクとメリットにも含まれているリスクがあるにもかかわらず、かれこれ10年もの間、リートに投資してきましたワタクシtisanが、Jリートに投資してきた理由、リートに感じている優位性を最後に付け加えたいと思います。
損益計算書など業績が見えやすい
例えば、総合商事の場合には、綿などの作物分野では、黒字だったけど、資源では大赤字だったということも考えられますが、Jリートの場合は、不動産賃貸業しかありません。また、損益計算書ひとつとっても、利益は賃料であり、費用は修繕費や光熱水費と非常に要素が限られています。
この点で、Jリートは、業績が読みやすい上に、業績の変動要因が比較的限定されていると言えるでしょう。不動産? というだけで、なんだか難しい世界のようにも思えてしまうわけですが、実際は、非常に馴染みやすいと思っています。
銘柄数が少ない
2017年2月8日現在のJリートの銘柄数は、58銘柄となっています。東証一部の上場銘柄数は、1900程度ですから、圧倒的に少ないものとなっています。
ですから、決算書も全銘柄に目を通すことが可能ですし、購入銘柄の選定をするにも58銘柄の中から選ぶわけですから、1900銘柄から選ぶのとでは、労力もまるで違うのですね。
これは、一見すごく消極的なことにも見えるわけですが、自分が分かるもの、分かりやすいと思うものに投資するといった意味で、とても優位なことだと考えています。
国策である
冒頭に成り立ちの歴史を書きましたが、そもそもがJリートは不良債権処理のための不動産取引活性化策として成立した、いわば国策で生まれた制度です。
また、不動産市況は、実体経済全体にも大きな影響を及ぼしますので、大崩れしてしまったら、影響が大きすぎて放っておけなくなるわけです。
過去にも、ニューシティ・レジデンス投資法人(NCR)の破たんを受けて、国は、2009年1月の投資法人債の適格担保化、2009年7月の銀行等保有株式取得機構による銀行保有のJリート投資口の買取り開始、2009年9月の不動産市場安定化ファンド設立といった、Jリートをこれ以上破たんさせないための政策を次々に実施しています。
こうした一連のセーフティネットにより、以降の投資法人の破たんは回避することができましたし、2010年10月には、日本銀行が資産買入基金によるJリート投資口の買取りを発表するとともに、現在では、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)までもがJリートの保有を行っており、その保有額は、2015年3月末時点で約249億円です。
このように、成り立ちから国策であるJリートは、現在ではつぶせないほど、国の施策や国民の公的な運用財産にまでに関係しているのです。
リートで不動産に馴染んで、現物不動産投資へ資産を移すという流れでもいいと思います。