Real Estate Investment Trust
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最近、投資家界隈でにわかにFIREという用語が話題となっていましたが、メディアにも取り上げられるなど、FIREって何? と興味を持ち始めた方も多いのではないでしょうか。

FIREとは「Financial Independence(経済的自立), Retire Early(早期退職)」の頭文字をとった造語ですが、欧米の20〜30代の間でこの「FIRE(ファイア)」という読み方の早期リタイアがムーブメントになっており、これが日本にも伝わってきたものです。

とはいいましても、早期リタイアという考え方自体は、今に始まったものではありませんし、最近の日本では、株式投資の環境で語られることが多くなっているものの、不動産投資家の間では、早期リタイアが目標として語られることはよくあることでした。

わたしtisanは、長年リート(REIT)を中心とした株式投資と現物不動産投資に関わってきましたので、この両方の視点から、以下の3つの観点で、FIREには、実はリート投資が最適だと考えています。

  • 現物の不動産投資と比較して確定した収入額!
  • 一般の株式投資と比較してキャピタルゲインという不確定さがない!
  • 現物の不動産投資と株式投資のメリットを両方備えている!

今回は、FIREまでの条件を考えるうえで、現物の不動産投資や株式投資の場合と比較をしながら、上記のメリットを説明していきたいと思います。

現物不動産投資における早期リタイア

現物不動産投資では、サラリーマン生活を社畜と位置付け、早期リタイアが最終的な目標の一つとして置かれてきたと思います。

具体的には、賃貸用不動産を購入し、その家賃で生計を立てていくレベルまで拡大し、会社を退職するという流れになります。

多くの場合において、不動産賃料による収入が月100万円を超えることが節目とされてきました。つまり、賃料から必要経費を除いた月額キャッシュフローで100万円ですね。

不動産賃料-管理費、修繕費、税金等の必要経費=月額100万以上

不動産賃貸による賃料は、インカムゲイン投資ですから、毎月の手残りいくらあるかということがリタイアの条件に設定されやすかったのだと思います。

ちなみに、月100万円という基準がよく言われるのは、100という節目の数字であることが分かりやすいからでしょう。

単独世帯なのか、4人家族なのかといった世帯構成で必要な収入というのは、変わってくるのが当然です。

株式投資における早期リタイア

一方で、株式投資では、貯蓄額がいくらあるか、ひいては投資元本がいくらあるか、という点がよく言われていますね。

実際に、FIREの実践者の間で一つの定説となっている基準が「年間支出の25倍」です。

例えば、総務省による2019年の総世帯平均による1世帯当たりの平均支出額は、年間299万円とされていますが、この金額に25を乗じると、約7,500万円となり、この程度の投資元本があれば、早期リタイアしてもよいという考え方になります。

また、併せて、生活費を投資元本の4パーセントにおさめることができれば、資産を目減りすることなく暮らしていくことが可能だというのが「4パーセントルール」です。

この理論は、米国の株式市場がこれまで年間平均7パーセントの成長率を続けてきたことを基本とし、そこからインフレ率3パーセントを差し引いたものが4パーセントという理論上の値と言われています。

この理論をそのまま日本に当てはめていいのかという疑問が残る定義です。

そもそも日本の株式市場が7パーセントの成長率を続けてきたかは、どの期間を切り取るかでかなり変わってきますし、日本は米国のようなインフレを前提とする社会ではありません。

前者に関しては、昨今では、日本から米国市場に投資する環境が整ってきたことから、米国市場に投資するということであれば、近似の投資効果を得ることができると考えることもできるかもしれません(投資手数料のことは要考慮)。

昨今、日本において、FIREと米国株投資が併せて語られることが多いのは、こうした理由もあるはずです。

また、これまでのご自分の投資効果には差がありますから、5パーセントなら可能、4パーセントなら可能、と可能な投資効果の想定を設定し直せばよいことになります。

一方で、インフレ率に関しては、日本では、2%を目標としながらも、1%にも満たない環境が続いています。こうした状況がずっと続くと仮定するならば、米国ほどインフレ率を考慮する必要がないことになります。

具体的には、例えば、投資効果を5%とし、インフレ率を1%とした場合は、結果的に変わらず「4%ルール」適用ということになりますが、投資効果を6%にした場合は、「5%ルール」適用ということになりますため、投資元本が6,000万であってもFIRE定義に当てはまってくることになります。

7,500×4%=300万
6,000×5%=300万

現物不動産投資と株式投資における違い

これまで振り返ってきましたとおり、現物不動産投資では、キャッシュフロー月100万が基準とされることが多い一方で、株式投資では、貯蓄額(投資元本)7,500万円と言われていることの経緯はご理解いただいたかと思います。

キャッシュフローベースなのか、貯蓄額(投資元本)ベースなのかという点はありますが、後者の株式投資におけるFIREの考え方でも、年間支出300万が元に7,500万という数字が計算されています。

この2つの投資における早期リタイア基準を考える上での違いを考えてみたいと思います。

1つに、不動産投資では、月100万が必要とされている一方で、株式投資では、月換算にして25万という設定されていますが、この差がある点です。

これには、現物不動産投資の潜在的な費用が大いに関係していると思います。

現物不動産投資では、年によって退去が増えたり、時期よって修繕費がかさんだりすることが多々あります。また、外壁塗装のような大規模修繕に必要な費用も積み立てなければなりません。

不動産投資は、扱う金額も大きいですから、こうした緊急の費用や大規模修繕の費用を含めて考える必要がありますが、株式投資では、このような観点はないのでしょう。

二つに、現物不動産投資では、毎月の収入額をベースに考える一方で、株式投資では、投資元本をベースに考えている点です。

これは、収入のあり方の違いが影響しているものと思います。

不動産投資は、言うまでもなく、賃料をもととしたインカムゲイン投資ですが、株式投資は、株価の値上がり益であるキャピタルゲイン投資と分配金によるインカムゲイン投資の合せ技となります。

そして、2021年2月現在の東証1部2部の配当金単純平均利回りが2%に満たないことを考慮すると、残りの多くはキャピタルゲインから得る必要があります。

ですから、こうしたインカムゲインを含めた投資元本がいくらというように設定した方が馴染むということなんだろうと思います。

リート(REIT)投資におけるFIRE

さて、ここまでの点を踏まえまして、ここからは、リート投資ブログらしく、リート投資におけるFIREを考えていきたいと思います。

先ほど整理しましたとおり、現物不動産投資と株式投資では、ひとえにリタイアに必要な基準といいましても、それぞれもととなる考え方に違いがあり、その違いは収入のあり方に根本があることが分かりました。

現物不動産投資と株式投資の性質を併せ持つのがリート投資です。

リート投資は、現物不動産投資と同じようにインカムゲインをベースとした投資であるとともに、株式市場に上場される株式の一種です。

現物の不動産投資と比較して確定した収入額!

先ほども取り上げましたが、現物の不動産投資では、賃料を収入した後でも、突発的な修繕費や大規模修繕のような費用が発生することを見据えなければなりません。

同じ不動産投資でも、リート投資は、株式投資の1種なので、こうした収入後の費用の想定がないです。

インカムゲインにおいて、収入額が明確であることは、大変重要な点ですから、FIREに必要な基準を考える上で、この点は、非常に明確で良い点だと思います。

一般の株式投資と比較してキャピタルゲインという不確定さがない!

2021年3月6日現在、japan-reit.comで計算されているリート銘柄の平均分配金利回りは、3.76%となっています。

また、現状、分配金利回り4%や5%を超える銘柄は多く、これらを買い揃えるだけでもある程度の「4%ルール」の達成にぐっと近づくことが可能です(税金の分は不足しますが)。

もちろん、今後長い相場の中で、減配の可能性もありますが、それは株式市場一般にも言えることですから、特殊なリスクではありません。

現物の不動産投資と株式投資のメリットを共有している

このようにFIREを考えるうえで、リート投資は、現物の不動産投資と株式投資のデメリットをうまく回避することができます。

リート投資では、収入金額が非常に明確です。各投資法人から、半年ごとにおおむね翌年度までの分配金予想が提示されます。

この分配金は、現物の不動産投資のように収入後に新たな費用が発生することはありません。また、株式投資のようにキャピタルゲインという不確実性もありません。

そして、デメリットを回避しているだけではなく、最後に挙げておきたいポイントは、現物の不動産投資と株式投資のメリットを両方備えているという点です。

リート投資には、現物の不動産投資と同様、賃料収入という安定した分かりやすい収入があります。また、株式投資の同様、売買が容易であるという点です。

賃料収入という安定した分かりやすい収入

ときに現物の不動産投資は、サラリーマンなどの一般の人にも一つの有効な副業として紹介されています。

それは、毎月の収入が安定しているだけではなく、収入方法がとても分かりやすいことだと思います。貸し部屋を用意し、それを貸し、賃料を得る。ビジネスモデルがとても分かりやすいと言い換えてもいいでしょう。

リート投資においても、基本的なビジネスモデルは同じです。

売買が容易

これもよく言われることですが、不動産を流通しやすくした制度がリートです。一般の株式投資と同様、パソコンやスマートフォンのクリックのみで取引をすることができます。

この売買が容易という点がポイントです。現物の不動産投資を購入するには、一般的に仲介手数料や登記費用などの手数料が物件価格の10%必要になります。

1億円の物件ですと、1千万はかかります。こうした手続きを簡単にし、手数料がかからないのがリート投資です。

まとめ

FIREとして、早期リタイアするためには、収入の確実性と安定性が必要です。今回、整理してきましたとおり、これらの要素を高い可能性で備えることができるのがリート投資だと思います。

  • 現物の不動産投資と比較して確定した収入額!
  • 株式投資と比較してキャピタルゲインという不確定さがない!
  • 現物の不動産投資と株式投資のメリットを両方備えている!

こうしたことから、FIREを考えるうえで、リート投資は最適な商品ではないかと考えています。

【リートの選び方】初めてのリート(不動産投資信託)の選び方おすすめポイント3つ

リート投資で、どの証券会社を使うか?

リートの選び方が少し理解できたところで、以下の記事では、リート投資で使いやすい証券会社はSBI証券であるという理由を書いています。

【リートの基本】リート投資におすすめな証券会社

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リート投資とクラウドファンディングを組み合わせる

リート投資では、元本の変動があります。このことは、利益の源泉であるとともに、損失の元にもなります。

一方で、元本の変動を予定しない投資が不動産クラウドファンディングです。

リート相場の状態に応じて、投資資金をリート投資と不動産クラウドファンディングに上手く振り分けていきましょう。

リート投資と不動産クラウドファンディングの比較と使い分け
【不動産クラウドファンディング】とは。~仕組みやシステム。利回りの比較~

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