タテルファンディングは、㈱インベスターズクラウドが運営している、いま流行りのクラウドファンディング型不動産投資です。
不動産投資については、いろいろと経験済みである、わたくしtisanですが、利回りが当然のように一桁%である新築アパートに関しては、足を踏み入れたことはありません。
そもそもクラウドファンディング型不動産投資には、以前より懐疑的でありまして、不動産やりたければ、群衆(クラウド)からではなく、銀行から借りてこいとさえ思っています。
そんなわけですが、今回、いろいろと思うところがありつつ、タテルファンディングの会員として登録し、出資応募してみました。そしたら、一発当選した、そんな話をお届けします。
目次
新築アパートの体験
そもそも㈱インベスターズクラウドは、デザイナーズ系の新築アパートを一貫提供することを売りにしている会社です。うたい文句は、アプリではじめるアパート経営です。
当社は、過去よりセミナーを定期的に開催することで、顧客を獲得してきましたが、今回のこのタテルファンディングは、この新規顧客の獲得が目的の一つだと言われています。
つまり、タテルファンディングは、顧客を集める入り口であり、最終的には、資金のある投資家に新築アパートを建てて欲しいのです。そのために、まずは少額で気軽に始めることのできる仕組みからアパート投資に興味を持ってもらいたいのでしょう。
そして、こうした中では、アパートビルダーの名にかけて、クラウドファンディングで顧客に損させる目算はないと思われますが、ただ、なにせ税控除前5%ですから、アセット的には厳しいわけです。しかも、雑所得の総合課税ですから、所得に応じて税率が上がるというオマケ付きです。
今回は、わたしが会員登録をしたのは、㈱インベスターズクラウドで新築アパートを建てた場合の簡易的なシミュレーションができるのではないかと考えてのことです。
こうした思惑がありまして、今回会員登録をしてみたわけです。
登録にあたって
登録の際に、必要な個人情報は、次の通りでした。
氏名、メールアドレス
会員登録だけであれば、この程度の提供事項でした。
会員登録といっても、あらかじめ次のファンド設定が知らされて、出資申し込みができるようになるという準備行為です。
なお、タテルファンディングの基本的な仕組みについは、以下のページをご覧ください。
https://www.tateru-funding.jp/static/about
募集中のファンドに応募する際の必要事項
次に、実際に募集中のファンドに応募する際に、登録が必要な事項がありますが、その事項は以下のとおりです。ここからは、個人情報をがっつりと持っていかれます。
性別、生年月日、電話番号、住所、職業、勤務先会社名、取引の目的、投資方針、破産者でないか等、年収、不動産投資への興味、投資経験、主な収入等、金融資産、投資資金、身分証明書のアップロード、銀行情報
以上の情報登録が終わりましたら、あとは口数を入力して申し込むだけです。
募集物件詳細の閲覧
会員登録をすれば、次回の募集物件の詳細を閲覧することができます。その事項は、以下のとおりです。
所在地、最寄り駅からの徒歩時間、稼働状況(満室)、駐車場の有無、竣工日、出資総額、出資募集総額、1口出資金額、募集口数、予定分配率(年利)、運用期間、契約開始日などです。
事項の内容は、以下の㈱インベスターズクラウドさんのブログで公開されています。直近では、2017年5月24~29日の間、大阪市の物件が応募受付となっており、わたしも1口(10万)応募しています。
なお、説明会は5/20,21に開催されているようでした。
投資にあたってのリスク
さて、わたしが今回リスクだと感じたことは、事前に公表されている情報量の少なさです。これだけの情報で投資の判断が求められるのは、さすがクラウドファンディングだなと思いました。毎回応募が多くて、そこまで情報を公開する必要はないのでしょうか。
まず、何よりアパート全体の(想定)満室賃料が公開されていないのはなぜでしょうか。これはかなり重要な情報ではと思いますが、もしかして見落としているのでしょうか? また、投資家の出資以外の資金は、借入金なのか、インベスターズクラウドの自己資金なのかは、はっきりして示して欲しいところです。
あと、室内写真が3枚しか公開されていませんが、せめて間取り図が欲しい。そのほか、設備の概要や取得価格の建物と土地の割合とか、路線価とか、とか。満室賃料が公開されていない中で、これらの情報がないと、賃料の推測をしようにもぼやけてしまいます。
少なくとも現物の不動産投資では、実調の前に、最低限以上の情報はつかんでおくのは普通ですよ。事前情報で、実調行く必要がなくなる場合も少なくないです。
また、説明会に参加した人には公開しているのかもしれませんが、説明会に参加しなければ、そういった情報が得られないのであれば、参加できない投資家のビハインド感があり過ぎる。。。
ブツブツ言いながらも申し込む
と、文句ばかりを言ってナンですが、このように公開情報が少ない中で、さらなる情報を取りに行くには、もはや出資者になるほかない! という勢いで、1口だけ申し込んでみたわけです。
そして、あくまで想像上のアパート収支は以下です。
8戸×5万円×12月×0.9(空室率)=4,320,000円(年間家賃)
出資募集総額 6,300万×年利5%=3,150,000円(出資者への支払)
以上の差額がインベスターズクラウドに残されますので、光熱水費や掃除、管理費委託、修繕などに充当されると思います。
こんなファンドをいくつ立ち上げても、インベスターズクラウドさんとしては、まさに薄利かと思いますが、これをきっかけに新築アパートを建ててもらえれば、御の字なのでしょう。
だから、1口の弱小出資者であるわたしtisanにも小さいながらもお鉢が回ってきたわけです、たぶん。
締め切り日から2日後のスピード当選を果たしました。約6倍の申し込みがあったそうです。
「TATERU FUNDING」募集総額に対し、約6倍の応募総額を達成第5号大阪府大阪市TATERU APファンド当選者決定(TATERU)
http://www.tateru.co/press/post/10154/
タテルファンディングとJリート
本ブログは、リートブログですので、やはり最後にリートとの比較を述べておきたいと思います。
タテルファンディングのページには、以下のように書かれています。
「本商品は上場株式や上場REITのように、取引所にて日々価格が変動する中で取引されるものではないため、投資額の安定性は上場株式や上場REITと比較すると一般的に高くなります。」
これは物事の一面を表しているのですが、では、投資判断にあたっての情報公開という面ではどうでしょうか。これは、圧倒的にリートに分があると思います。
そして、税金のことも忘れてはなりません。リートの場合は、株式と同様に譲渡益、分配金にかかる税金は一律ですが、匿名組合契約の組成によるクラウドファンディングは雑所得です。所得に応じて税金が上昇していきます。
タテルファンディングの場合、20.42%(20%+復興特別所得税2.1%)の源泉徴収が行われます。所得税率が5,10%の場合、確定申告すれば、還付される可能性がありますが、確定申告の手間の方が大きいかもしれません。
課税される所得金額 | 税率 | 控除額 |
---|---|---|
195万円以下 | 5% | 0円 |
195万円を超え 330万円以下 | 10% | 97,500円 |
330万円を超え 695万円以下 | 20% | 427,500円 |
695万円を超え 900万円以下 | 23% | 636,000円 |
900万円を超え 1,800万円以下 | 33% | 1,536,000円 |
1,800万円を超え4,000万円以下 | 40% | 2,796,000円 |
4,000万円超 | 45% | 4,796,000円 |
なお、本家? のクラウドファンディングでは、最近、京町家を再生するというファンドが流行っているそうですが、こちらの利回りは10%(税控除前)だそうですね。ですから、どうせリスクをとるなら、京町家? とも言えるかもしれません。同じ利回りなら、投資先は、やはりリートでしょう。
いずれにしましても、今後インベスターズクラウドさんからは、投資DVDや契約関係書類が送られてくるそうです。インベスターズクラウドさんの法人情報を侵さない程度に、引き続きまた続報をお届けしたいと思います。
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