先日sbi系のソーシャルレンディングで出資先の貸し倒れ問題が起きました。
ソーシャルレンディングは、貸付先の詳細が開示されないことが多く、投資家はソーシャルレンディング事業者の審査を信用するしかありません。
その点、運用物件の情報が比較的明らかになっているのが、不動産クラウドファンディングです。
不動産特定共同事業法やその電子取引業務ガイドラインでも情報開示について定められています。
ですが、最近こうした状況が反映されたのか、一味違ったリスクが出てきています。
最近の不動産クラウドファンディングは、即日というか即時完売が多く、ほぼクリック合戦に敗れるわけです。crealで久々に買えましたが、その案件は現在も募集中。これくらいののんびり感がないと実際買えないので。
— tisan (@jreit_org) May 4, 2021
増加する不動産クラウドファンディング事業への参入
不動産クラウドファンディングでは、最近新しい運営業者の参入が相次いでいます。
新たな参入では、まず投資家登録を得ようと、利回りの高い案件が提示されることが多く、利回り7%から10%の案件が出回っています。
こうした案件に投資家が殺到することは当然ですが、最近では、利回りが3%や4%の案件ですら、買えなくなっているのが現状かと思います。
これには、3つほど理由が考えられます。
一つに、投資家が増えているということです。参入業者が増えていることにつれて、投資家が増えているのだと思います。
また、不動産クラウドファンディングでは、運用する物件が開示されることの安心感があり、そのことが認知されてきたのかなとも思います。
案件の即日終了が続き、それを見た事業者の参入が促進され、本業の不動産で実績のある上場会社が参入するケースも出てきました。
そして、運営者自身も出資したり、運用物件に買取保証を付ける案件も出てくるなど、損失を回避する仕組みが進んでいます。
2つに、先ほどの高い利回り案件で買えなかった資金が向かっているのだと思います。
やはり買えなかったら、他の案件でもいいから投資したくなるものです。
3つに、一時期に比べて株式やリートの利回りも低下してきましたので、より高い利回りを求めて資金が流れてきているということもあるでしょう。
買えないことのリスクが出現
こうした状況下、買えないことのリスクを感じることが多くなっています。
投資は、特に配当を目的とした投資には、継続性が求められます。
この意味では、長期投資に関するリスクとも言えます。
買えたり買えなかったりとなると、利回りが低下してしまうので、その買えないリスクが不動産クラウドファンディングのリスクになっているような気がしています。
案件の出資申し込みでは、だいたい平日のランチどきが期日となることが多いのですが、ランチしながらクリック競争をしなければならないのが実態です。
こうした声が多いのか、最近では、抽選方式を取る案件もでて来ています。
これは、とても公平なのですが、買えないリスクは同じです。
当面の対策
この買えないリスクが不動産クラウドファンディングの大きなデメリットになりつつあるように思う昨今ですが、とりあえずの対策はあります。
運営者が増えているので、その分新規案件も増えていますし、チェックすべきホームページの数も増えています。
事業者が増えて案件が増えてこれば、クリック競争しなくても買えるような環境が整うかもしれません。
当面は、地道に新しい案件をチェックしていくことかと思います。
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