Real Estate Investment Trust
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負のれん銘柄である平和不動産リート(8966)が第23期決算を発表していますので、取り上げたいと思います。

決算説明資料
http://www.heiwa-re.co.jp/site/file/tmp-JtwnL.pdf

さて、平和不動産リート(8966)は負のれん銘柄であり、順当に分配金を伸ばし続けているにもかかわらず、規模が小さく、複合型とはいえ主に住宅系であるなどの理由で割安に置かれているリートと個人的には認識しています。

また、これは完全に個人的な思いですが、銘柄名がなんとも若干の不安感を与えているのだと思ったりもしているわけであります。まあ、平和不動産は今のところ日経平均の構成銘柄でありますし、東京証券取引所の大家でもあるわけですし、なによりこのリートの筆頭となって以降は、良好な運用を行っていると考えますので、それなりにもう少し評価されても良いのではと感じています。

決算説明書の6ページにもありますように、順調に分配金水準を伸ばしています。そして、新規優良物件の取得及び稼働率向上による収益基盤の拡充→財務基盤の強化→初の公募増資といった順をおってきているのもよろしいのではないでしょうか。

さて、来期である第24期の分配金は、1,652円と予想が出ておりますが、負のれんを充当しないとしています。これが意味するところは、分配金の水準が不のれんに頼らない巡航水準に到達したということであります。

なお、負ののれん残額 は3,070百万円であり、これは今後の物件入れ替えに伴う評価損の穴埋めにも使えますが、長い目で見ても、景気が再び下り坂になった際の分配金下落を和らげることにも使えるものと考えます。

まあ、決算説明書の12ページにもありますように、評価額の含み損が未だ結構ありますから、このあたりに利用するのかもしれません。

もともとこの平和不動産リート(8966)は、最初から平和不動産が筆頭だったわけではありませんで、2005年2月に上場したときには、クレッシェンド投資法人という名称で、中規模オフィスビルや住宅など21物件、321億4000万円といった規模でありました。

クレッシェンド投資法人は、つたない記憶に誤りがなければ、カナル投信という平和不動産の関連会社が運用会社となっておりまして、リーマンショックを経て、大暴落を経験しておりますが、ジャパン・シングルレジデンス投資法人という住宅系リートと合併して負のれん銘柄となるまでは、いつ消えてもおかしくないのではと思わせるリートとなっていました。

ジャパン・シングルレジデンス投資法人と合併したことで、住宅比率が高まっていたわけですが、最近取得した3棟はすべてオフィスということで、時流にはあっているのでしょう。今後の発展に期待しているリートの一つです。

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