今回は、商業施設型リートのフロンティア不動産投資法人(8964)の第25期(2016年12月期)決算をcheckしていきたいと思います。
決算説明会資料
http://www.frontier-reit.co.jp/site/file/tmp-CLQQT.pdf
主な特徴など
フロンティア不動産投資法人(8964)は、平成16年に上場された投資法人です。地域一番店的な立地を重視した商業施設を保有し運営しています。
資産運用会社は、フロンティア・リート・マネジメント株式会社となっており、スポンサーは、日本ビルファンド投資法人(8951)と同様に、三井不動産です。
直近の業績は?
では、第25期(2016年12月期)の業績ですが、決算説明会資料の5ページに掲載されています。
(単位:百万円) | |||
第24期 | 第25期 | ||
実績 | 実績 | 前期比 | |
営業収益 | 10,051 | 10,022 | △28 |
営業利益 | 4,864 | 5,379 | +514 |
経常利益 | 4,468 | 5,050 | +581 |
当期純利益 | 4,467 | 4,911 | +443 |
圧縮積立金取崩額 | 340 | △340 | |
一口当たり分配金 | 9,694円 | 9,903円 | +209 |
第25期(2016年12月期)は、前期第24期で売却譲渡を行ったジョイフルタウン岡山にかかる分の賃料減を穴埋めるために購入した「ららぽーと新三郷」の寄与もあり、営業収益の減はわずかなものとなりました。
また、前期第24期では、ジョイフルタウン岡山売却による譲渡損を計上していましたが、第25期では、譲渡損がなくなるため、営業増益となっています。なお、前期の譲渡損は、以前の譲渡益を積み上げておいた積立金の取り崩しより穴埋めをしています。
今後の業績予想
次に、第26期(2017年6月期)の業績予想ですが、決算説明会資料の6ページに掲載されています。
(単位:百万円) | |||
第25期 | 第26期 (2017年6月期) |
||
実績 | 予想 | 前期比 | |
営業収益 | 10,022 | 9,958 | △ 64 |
営業利益 | 5,379 | 5,203 | △ 176 |
経常利益 | 5,050 | 4,870 | △ 180 |
当期純利益 | 4,911 | 4,869 | △ 42 |
一口当たり分配金 | 9,903円 | 9,800円 | △103 |
第26期(2017年6月期)は、第25期の新規物件の通期寄与がある一方で、建物老朽化により建物+土地の賃貸から建物を取り壊しの上、土地のみ(底地)賃貸へと切り替えた元スポーツクラブルネサンス広島の賃料収入減等により減収となる見込みです。
また、第24期に取得したコジマ×ビックカメラ那覇店と第25期の「ららぽーと新三郷」における固都税の費用化が開始するなどし、減収減益となる予想です。
固都税が遅れて費用化されることにつきましては、以下の記事の中段以降をご参考ください。
【5月決算REIT】昨今、オフィスと商業用施設両輪で積極的な物件取得を進めるアクティビア・プロパティーズ投資法人(3279)の業績をcheck!
主な投資指標
最後に、主な投資指標です。
29.7.20現在の投資口価格457,000で、第26期の予想分配金9,800円を巡航分配ペースと仮定します(さらなる物件取得やリーシングの進捗は見込まず。)。その場合、分配金利回りは、約4.2%となります。本決算時点でのNOI利回り(取得価格ベース)は、約5.6%です。また、japan-reitで公表されている直近NAV倍率は、1.14%です。
また、当期純利益と減価償却費の合計値であるFFOは、年間14,136,512千円でありますから、1口あたりFFOが28,501円程度となり、投資口価格の約6.2%です。
決算短信
http://www.nbf-m.com/nbf/sidemenu/files/tanshin_31st_period.pdf
賃貸NOI(半期) 8,095,529千円
取得価格総額 289,088,000千円
FFO(半期) 7,068,256千円
口数 496,000口
・本業は燃えているか? 本業の収益力をはかるNOI利回り。
・リート(REIT)の3つの価値から投資指標の1つであるNAV倍率を考える。
・キャッシュフローを追え! FFOを理解する。
投資主の状況
個人・その他 6.5%
金融機関(証券会社含む)71.4%
その他国内法人 8.5%
外国人 13.5%
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