Real Estate Investment Trust
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今回は、住居系リートの積水ハウス・SI レジデンシャル投資法人(8973)の第22期(2016年9月期)決算をcheckしていきたいと思います。

決算説明会資料
http://www.shsi-reit.co.jp/site/file/tmp-adbhc.pdf

主な特徴など

積水ハウス・SI レジデンシャル投資法人(8973)は、2005年に上場されたジョイント・リート投資法人を商号変更して成立した投資法人です。

ジョイント・リート投資法人のスポンサーであった株式会社ジョイント・コーポレーションが2009年5月に、会社更生法の適用を東京地方裁判所に申請し、投資法人の運営会社である株式会社ジョイント・キャピタル・パートナーズの全株式を積水ハウス・SI アセットマネジメント株式会社が取得しました。

このことにより、ジョイント・リート投資法人から積水ハウス・SI レジデンシャル投資法人(8973)へと商号変更が行われたものです。

ちなみに、株式会社ジョイント・コーポレーションは、現在長谷工コーポレーションの子会社となっている模様です。

物件としては、ほぼレジデンス物件のみにて運用をしていますが、ジョイント・コーポレーション時代からの遺産である浜松プラザの一部持ち分のみ商業です。

直近の業績は?

第22期(2016年9月期)の業績は、決算説明会資料6ページに記載されています。

(単位:百円)
第21期 第22期
実績 実績 前期比
営業収益 6,543 6,693 +150
営業利益 2,741 2,739 △2
経常利益 2,214 2,193 △20
当期純利益 2,210 2,192 △18
圧縮積立金繰入額 47 8 △38
一口当たり分配金 2,125 2,145 +20

第22期(2016年9月期)は、16ページにもありますとおり、借入金にて4物件を取得しています。このことにより、物件を取得した4月からの賃料が新たに増え、営業収益増となっています。

一方で、物件が増えたことによる賃貸営業費用の増加や前期の物件譲渡益がなくなったことにより、営業利益はヨコヨコとなりました。

なお、第22期もb-town南青山等物件を売却し、第21期に引き続いて配当積立金繰入を行っています。本投資法人は、負ののれん銘柄ではありませんので、物件の売却益を圧縮積立金としておくことは、今後の分配金の安定化に寄与します。

最近では、オリックス不動産投資法人(8954)が同様の戦略を進めています。

【2月決算REIT】オリックス不動産投資法人(8954)の内部留保による分配金安定戦略!

このように、ジョイント・コーポレーションから積水ハウスが引き継いだ第11期からは、当分配金第一という目標を掲げ、その実績を積み上げて、増配を続けてきた非常に堅実な運営をしています。

しかし、実は、この投資法人は、浜松プラザという大型商業施設での大型退去により相当痛い目にあっています(スポンサーの積水ハウスが買い取って事なきを得ましたが。)。

こういった経緯もあり、18ページにもありますが、この浜松プラザの持ち分を今後も徐々に手放していく方向のようですが、最近は、譲渡が進んでいないようです。積水ハウスが引き受けた旧イトーヨーカ堂の跡地がどうにかなれば、進むかもしれませんね(コストコが入るようです。)。

ちなみに、説明資料によると、今回のb-town南青山の売却により、残りの商業物件は、浜松プラザのみとなったとあります。やはり商業施設物件には、今後ますます退店リスクが生じてくるのではとも言われており、専門のリートに任せた方がよいと考えているのではないでしょうか。

今後の見通し

では、次に、第23期(2017年3月期)及び第24期(2017年9月期)の業績予想です。説明資料の36ページ及び38ページに掲載されています。

(単位:百万円)
第21期 第23
(2017年3月期)
第24期
(2017年9月期)
実績 予想 前期比 予想 前期比
営業収益 6,693 6,857 +164 6,845 △12
営業利益 2,739 2,975 +235 2,948 △26
経常利益 2,193 2,412 +218 2,401 △10
当期純利益 2,192 2,410 +217 2,399 △10
圧縮積立金繰入額 8 0 △8 0 0
一口当たり分配金 2,145 2,180円 +35 2,170円 △10

第23期(2017年3月期)は、第23期に実施した公募増資により取得の物件があり、固都税もまだ増えませんので、営業増益となり、分配金も増となります。

続く第24期(2017年9月期)でも、固都税の費用化が開始されますが、公募増資物件が通期寄与するということで、同水準の利益が確保できる見通しとなっています。通常は、保守的に見込み、実績で前期を少し超えてくるというのが綺麗な形ですね。

なお、固都税の費用化が遅れてやってくることについては、以下記事の「固都税の費用計上の仕組み」にて、説明をしております。

【1月決算REIT】スターアジア投資法人(3468)の利回りが高いワケと今後。

主な投資指標

最後に主な投資指標です。

29.3.16現在の投資口価格123,500で、第23期及び第24期の分配金利回りを計算すると、約3.5%となっており、本決算時点でのNOI利回り(取得価格ベース)は、約5.0%です。また、japan-reitで公表されているNAV倍率は、1.16%です。

決算短信
http://www.shsi-reit.co.jp/site/file/tmp-ECC7Z.pdf

賃貸NOI(半期) 5,039,098千円
取得価格総額 199,163,000千円
FFO(半期) 3,758,158千円
口数 1,018,110口

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