今回は、物流施設を保有運営するラサールロジポート投資法人(3466)の第1期(2016年08月期)決算をcheckしていきたいと思います。
決算説明会資料
http://lasalle-logiport.com/file/term-175591a0e3f9c23493c212cc2526f5993c2e8ca9.pdf
主な特徴など
さて、皆さま、かのラサールインベストメントマネージメントインクが日本のリート市場に舞い戻ってまりました、と意地悪く書いてしまうわけですが、同法人は、2007年、リーマンショックの最中、イーアセット投資法人の資産運用会社であるアセット・リアルティ・マネジャーズの全株式を取得し、Jリートに参入をしています。
その際、名称変更によりラサールジャパン投資法人となりました。その後、軟調な相場が続く中、2009年に日本リーテルファンド投資法人(8953)に吸収合併される形で、わずか2年でJリート市場から撤退をしています。
いわゆる外資系ですし、世界をまたにかけるジョーンズ ラング ラサール(JLL)グループの子会社でありますから、世界中の市場を見渡しながら、その時々で投資先を自由に変えることができるわけですから、身軽に入ったり出たりということはやむを得ません。投資家としても、そのつもりで付き合っておく、ということでしょう。
第1期の業績と今後の見通し
さて、今回のラサールロジポート投資法人(3466)は、2016年上場ということで、物流施設に投資を行う法人となっています。まだ1期目の決算となっていますので、説明資料の7ページに掲載されている第1期の業績と第2,3期の予想を一緒に見ていきたいと思います。
(単位:百万円) | |||||
第1期 | 第2期 | 第3期 | |||
実績 | 予想 | 前期比 | 予想 | 前期比 | |
営業収益 | 5,130 | 4,800 | △330 | 4,783 | △17 |
営業利益 | 3,171 | 2,853 | △318 | 2,469 | △384 |
経常利益 | 2,498 | 2,626 | +128 | 2,248 | △378 |
当期純利益 | 2,496 | 2,625 | +129 | 2,247 | △378 |
一口当たり分配金 | 2,453円 | 2,545円 | +92 | 2,202円 | △343 |
一口当たり利益超過分配金 | 184円 | 159円 | △25 | 159円 |
第1期の分配金は、2,453円ですが、続く第2期は上場関連費用等がなくなることもあり、経常利益が増え、分配金も2,545円ということで、増加することが予想されています。
また、この法人では、利益超過分配金を行っており、第1期には、184円、第2期以降は、159円を通常の分配に加えて上乗せされています。この利益超過分配金については、サムティ・レジデンシャル投資法人(3459)の記事で説明をしていますので、ご覧ください。
さて、さらに続く、次の第3期には、固都税の費用化が始まる(△402百万円)ため、減益となり、分配金も2,202円へと減少するようです。
この固都税の費用化が遅れて始まることについては、スターアジア投資法人(3468)のところで、説明をしていますので、ご覧ください。
よって、この第3期からが巡航ペースの分配と見てよさそうです。第2期から第3期にかけては、1口あたりの分配金は、△343円の減少となりますので、このままですと、あまりワクワクはしない銘柄ということになりますね。
ですから、今後は、外部成長を続けていくことになろうかと思いますので、第3期に向けた物件取得は行われるとみてよいでしょう。説明資料の9ページですが、「本投資法人はラサールグループの旗艦コアファンドとして、物流施設の安定稼働物件を取得」とあります。ラサールグループの旗艦コアファンド? の意味はよく分かりませんが、「ラサールファンドでは毎年、 300~400億円の物流施設開発を継続予定」とも書いてありますので、よくも悪くもラサールグループが開発した物流施設が流れてくる予定とのことですね。
第1期末の有利子負債比率LTVは、34.2%ということで、取得余力 (LTV45%まで)約340億円あるとのことですから、この余力と公募増資を使って、10ページにもありますとおり、2020年までのあと3年で物件規模を、上場時規模1,614億円の倍近くにまで拡大を図るといった方針です。
当面は、分配金がしぼむ第3期に向けて、どのような投資が行われるのかが注目点でしょう。
コメント
この記事へのコメントはありません。
コメントする