Real Estate Investment Trust
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本日は、1月決算銘柄である森ヒルズリート投資法人(3234)の28年7月(第20期)決算を確認していきたいと思います。こちらは、japan-reitで12日現在の利回り3.38%とされています。

決算説明資料
http://www.mori-hills-reit.co.jp/LinkClick.aspx?fileticket=P3s0afTGP%2fQ%3d&tabid=36

3ページには、この法人が東証リート指数をアウトパフォームしてきたことが示されています。また、7ページには、12期連続で増配を続けてきたことが堂々と示されています。この間、リーマンショックから徐々に立ち直る中で、オフィスビル全体が改善してきたところでもありますが、これは素直に素晴らしいことかと思います。また、以前2013年に記事にもしましたとおり、景気回復局面に強い銘柄です。

景気の回復局面で輝く、なんとなくラグジュアリー系リートたち。例えば、森ヒルズリート投資法人(3234)やジャパンホテルリート(8985)。

ただ、こちらの法人は、過去の2008~2010年において、相当にひどい増資を強行し、投資家からリート市場全体への不信感をもってとらえられ、以降しばらくの間、他の法人が増資をするだけで売り込まれるといった経緯があったことも把握しておきましょう。

森ヒルズリート投資法人(3234)の第13期決算

これらを踏まえて、説明資料の4ページを見てみますと、第19期から20期においても、引き続き分配金の上昇が続きます。最近は、ずっと継続して六本木ヒルズ森タワーの持ち分を取得し続けていますが、これによる賃料の増加があります。また、固定型ML改定・変更も少しずつですが、賃料の増加に寄与しています。

固定型ML改定・変更とは

この固定型MLのMLは、マスターリースの意味で、同資料の13ページにあるように、徐々に固定型マスターリースをパススルー化しています。マスターリースとは、いわゆるサブリースというもので、転貸です。貸す方はいったん貸してしまえば、転貸できても、空室でも賃料の5割から6割程度の賃料を得ることができるので、空室リスクを軽減できるものです。

一方で、パススルー型といわれるものは、管理委託に近いもので、転貸の9割くらいの賃料を得ることができるのですが、そのかわり、空室なったら賃料は0になります。

想像できるのは、景気が悪いときには、サブリースですと、賃料が保証されますので、よい局面もあろうかと思いますが、景気がよくてもともとの空室期間が短いのであれば、パススルー型にした方が、多くの賃料を得ることができるのです。このことにより、こちらの法人としては、マスターリースからパススルー型への改定を進めているものと思われます。

これらのことを踏まえて、もう一度4ページに戻ってみますと、固定型ML改定・変更を行うことで、いったん営業費用はかかっているのですが、賃料の改善も見られ始めています。今後も順次これを進めていくのでしょう。

続く第21期の業績予想

こちらも六本木ヒルズ森タワー取得効果の通期化と引き続き固定型ML改定・変更を進めることで、増益が予想されています。なんといっても、12期連続で増配中ですから、法人としても、やはりこれを継続させたいでしょう。また、オフィスビルの市況が改善に向かっているときには、やはりグレードの高いビルがより強さを発揮するといった点では、いずれきたる景気の後退局面までの間は、引き続き上昇を続けるのではないでしょうか。

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