リート投資と不動産クラウドファンディングには、それぞれメリットとデメリットがあります。
わたしは、どちらに資金を振り分けるか、その時々の投資環境に応じて使い分けをしてきました。
今回は、リート投資と不動産クラウドファンディングを比較したうえで、その使い分けのコツをご紹介します。
目次
リート投資と不動産クラウドファンディングの比較
以下は、教科書に載っていることではなく、私自身がこれまで取り組んできた体験から生々しく書きました。しかし、一般的に言われていることと遠くはないと思います。
メリット | デメリット | |
リート(REIT) | ・通常3~7%台の利益 (インカムゲイン) ・投資口上昇による利益 (キャピタルゲイン) ・投資資金の流動性 |
・全体相場の上昇による 購入利回りの低下 (インカムゲインの低下) ・投資口下落による損益 (キャピタルロス) |
不動産クラウド ファンディング |
・3~8%台の利益 (インカムゲイン) ・日々の元本変動なし (出資成果の予定) |
・出資資金の固定性 ・出資額を超える損失 (可能性小だがあり得る) ・クラウド運営事業者の倒産 |
何点か補足です。
1.出資成果の予定
不動産クラウドファンディングのメリットとして、「出資成果の予定」と書いたのは、リートの投資口価格のように日々相場が変動することはなく、出資した時点で、〇%の利益を得ることが予定されるという点があります。
もちろん、出資した案件におけるプロジェクトが倒産するなどした場合のリスクについて、どの程度出資者が被るのか、という点は、それぞれのクラウドファンディング事業者のホームページでよく確認する必要はあります。
しかしながら、その意味で、リートの場合は、日々投資口価格が変動しますので、投資成果が予定されることは、まったくないのです。
また、投資口価格が変動するということは、キャピタルゲインもロスもありえるということですので、それはリートのメリットにもデメリットになります。
ですから、この点、どちらが自分に合っているか、または、どのように資金を振り分けていくかがポイントになると思います。
2.リートにおける「投資資金の流動性」と「購入利回りの低下」
リートでは、証券会社で売却の注文すれば、いつでも投資資金を回収することができるという利点があります。ほかに良い案件があれば、リートを売却してその案件に資金を振り分けるという機動的な投資も可能です。
一方で、不動産クラウドファンディングでは、出資案件の運用予定期間が終了までは、資金が拘束されるというデメリットがあります。
リートは、投資資金の流動性があり、不動産クラウドファンディングは、資金が固定されるというデメリットがあるといえます。
また、リートにおいては、買い付け時の相場によって、分配金に対する利回りが刻々と変動していくという点もポイントかと思います。
リートの全体相場が上昇してくると、ときに全銘柄の平均利回りが3%台となることもあり、新たに買い付けを入れても、インカムゲインの商品としては、魅力が薄くなっていきます。
その点、不動産クラウドファンディングでは、日々相場が変動することはありませんし、相場の都合で利回りが低下してくるということもないと思います。
リート投資と不動産クラウドファンディングの使い分け
これまでの点を踏まえて、リート投資と不動産クラウドファンディングの使い分けを考えていきたいと思います。
リート投資では、投資法人の分配金が上昇すれば、いずれは投資口価格も上昇していくと思います。
ですが、リート全体の相場が高くなると、分配金の上昇以上に投資口価格が上昇することもあり、平均利回りも低下していきます。
そうなると、リートを購入しても期待する分配金を得られなくなる時期がきますし、過去に購入した投資口価格からみた現在利回りも低下しているため、資金効率という意味では、他の投資を検討した方がよいこともあります。
私の場合、こうしたときからは、不動産クラウドファンディングの案件の利回りも見ながら、資金を移していきます。
利回りが高い方法で運用した方がよい投資効果が得られるからです。
リート相場低迷時 | リート相場高騰時 | |
リート(REIT) | 〇 (インカムに加えてキャピタルゲインも狙いに行く) |
△ (キャピタルゲインの収穫) |
不動産クラウド ファンディング |
△ (リート購入資金へ投入) |
〇 (リート売却資金を投入) |
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