Real Estate Investment Trust
photo-1431578500526-4d9613015464
 

毎週土曜日には、【Jリート考】と称しまして、リート投資家の方が今後のリート相場を考える上での材料となりそうな記事などを紹介していきたいと思います。

さて、今回は、景気と金利です。景気回復時のリート相場を見ていくうえで、景気による業績押し上げ効果と金利の上昇との関係は、いわば綱引きのようなものであり、どちらが勝るのかといった思惑が相場に大きな影響を与えることになろうかと思われます。また、投資先はリート以外にも無数にあり、相対的な判断の中での動きになるといった観点が必要かと考えます。

インカム投資、金利上昇時の運用先(wsj)http://jp.wsj.com/articles/SB12655068274443284796304581161503356427430

 Q:全員が低水準の経済成長率とインフレ率を見込んでいるようだが、その見通しに対するリスクは?

 ミナード氏:

むしろ中国を比較的強く懸念している。株価下落によって資産価値が4兆ドル近く減少しており、同国経済が大幅に減速すれば、安全な投資先として世界中から米国に大量の資金が逃げ込み、長期債の価格が上昇して利回りが大幅に低下するだろう。

Q:REITの株価は2010年以降で2倍へ上昇し、現在の配当利回りは約4%だ。年初来では、投資家が金利上昇を懸念して1.3%下落しているが、これで十分魅力的か?

 フレデリックス氏:金利に敏感で割高なためにREITはあまり考えていないが、米国外のREITは好んでいる

 バハ氏:セクターとしては多大な価値があるとはみていない。しかし、アナリー・キャピタル・マネジメント(NLY)の配当と経営は良好だ。

 メマニ氏:REITは極端に割安でも魅力的でもないが、安定的なインカムを提供する。そして、経済情勢が予想通りに好転すれば適度な価格上昇の可能性がある。モーゲージREITは全く別の話で、レバレッジのかかった住宅ローン担保証券(MBS)であり金利に非常に敏感だ。金利が上昇すれば価格も急落するが、大幅に調整すれば買い場もあり得る。(2015.08.11 wsj)

米国の金利上がればリートが浮上する…日・米・欧州の株式も有望(中央日報)http://japanese.joins.com/article/347/203347.html

一般的に金利が上がればリートのように毎月収益が出る配当型商品に期待する収益率も高まるものだ。これらの商品が金利引き上げ期に人気が落ちるのはそのためだ。特に不動産は負債比率が高く金利引き上げによる費用増加を避けにくい。今年に入りリートファンドから資金が流出しているのはこのような理由からだ。 (中略)  過去の金利引き上げ期にもリートは良好な成果を出している。2004年に新興国の浮上とともに原材料価格が急騰しFRBは物価安定を掲げて1%だった基準金利を2006年6月まで約2年にわたり0.25%ずつ合わせて17回引き上げた。長期間速度を調節しながら金利を引き上げた上に、米国の景気回復がかみ合わさり株式だけでなく配当型資産であるハイイールド債券やリートの収益率が上昇した。

現代証券のオ・ジェヨン研究員は、「金利引き上げ後1年間にグローバルリートは32.1%と最も高い収益率を記録し、米国リートもやはり26%の収益を上げた。不動産価格と賃貸料を引き上げる景気回復が金利引き上げよりも大きな影響を及ぼしたもの」と説明した。(2015.07.20 中央日報)

リートにおける業績とは、まず分配金ということになりますが、金利の上昇によるコストの増大に勝る業績が得られるのであれば、金利上昇下でも分配金が上昇していくということになります。

当ブログでは、週末には、Jリートの平均利回りと国債利回りとのスプレッドを紹介していますので、ご参考ください。また、平日にも毎日Jリート相場に併せて、長期国債の相場も提示しております。

さて、最後にこちらの記事もご参照いただくとよろしいかと思います。

東証REIT指数の水準(REITアナリスト山崎成人の連載コラム
http://www.reit-data.com/report_y/150731.html

この期間での東証REIT指数と10年物国債利回りは、ほぼ完全逆相関を示しています。
またREITの上昇局面では国債利回りとのスプレッドも縮小気味になり、調整局面ではスプレッドが拡大するという傾向があります。(中略)このように見ると、REIT相場の形成には一定の法則性が見て取れますので、中長期保有でのREIT投資の視点で見れば慌てる必要もありませんし、日々の投資口価格変動に一喜一憂する必要もなさそうです。(2015.07.31 REITアナリスト山崎成人の連載コラム)

スポンサーリンク

コメント

この記事へのコメントはありません。

コメントする


※メールアドレスは公開されません。