リートは、小額から始めることができる不動産投資と言われています。
投資家から資金を集め、多額の資金を運用するリートですが、実際に行っている業務の中身は、大家さんがしている活動とあまり変わりがないからです。
その中身とは、不動産を購入し、運用し、賃料を得ることです。そして、時々不動産を売って売却益を得ます。
こうした営みを他人に委託するか、自分でするかの違いです。
しかしながら、株式投資の1種であるリート投資と現物の不動産投資とでは、異なる点もあります。
今回は、リート投資と現物の不動産投資の違いから見た「現物の不動産投資を始めるのに必要な知識とその対策」を3つ取り上げたいと思います。
- 物件取得(特に1つ目)
- 融資
- 税金
物件取得(特に1つ目)
リート投資では、物件の選択や入れ替えを委託しています。そのため、購入する物件を探す手間もありませんし、難しい物件の入れ替え戦略も委託しています。
現物の不動産投資にいざ参入するとなっても、初心者が特に1つ目の物件において、良質な物件を取得することは、とても難易度の高い作業です。
ひとつに、不動産投資をしている人は皆、良い物件を手に入れたいと思って行動していることです。
また、不動産を売る側、仲介する側もより多くの利益を得たいと考えていることは当然であり、ときに買い手とは利益が相反します。
このような世界に初めて飛び込んでいって1つ目の物件取得から優位に立てる保証はありません。
ここでとるべき戦略としては2つあります。
1つは、やはりリート投資を選択することです。2つは、経験がないのであれば、まずは知識を増やすことです。
大きな資金をかける以上、これは最低限必要な防衛策ともいえます。
では、どのようにして知識を増やせばよいのでしょうか。それは、
経験者に学ぶ
どの世界でも同じことですが、新しい領域に入っていくには、まずは経験者に学ばなければなりません。では、どのようにして経験者から学ぶことができるのでしょうか。
不動産投資の書籍
基本的には、書籍をお勧めします。ひと昔前までは、不動産投資は、一部の富裕層だけのものでした。
しかし、サラリーマンによる不動産投資が広まってきた現在では、不動産投資の経験者による書籍がたくさん発行されています。
こうした書籍によって得られる知識は少なくありません。また、書籍を通して経験者の経験を疑似体験することもできるでしょう。
このような知識をわずか数千円で得ることができるのは、とてもコストパフォーマンスに優れた教材といえます。
問題があるとすれば、先ほども申しました通り、現在では、本当に星の数ほどの書籍が発行されていることです。
ひとえに書籍といっても、書いた不動産投資家によって、質が違うのと、得意な分野も異なります(物件取得が得意とか、融資付けが得意など)。
そのため、どの投資家の本を読めばよいのか、どの点を見習えをばよいのかが分からず、知識だけを蓄え続けるただの不動産投資本マニアになりかねません。
不動産投資のセミナー
このように多くの書籍がある中、読書が苦手で自分で選んで勉強するのが不安といった人は、セミナーを受講するという方法もオススメです。
といっても、よく巷で告知されている不動産投資セミナーでは、簡単なセミナーの後に、物件を紹介されることも多々あります。
むしろ物件を売ることが主目的であるセミナーの方が多いですが、最初の物件を取得するのは、結構大変です。人によっては、2~3年間も探し続ける人もいます。
利回りが低くても、まずは取得したいという場合、こうしたセミナーに参加すれば、物件の紹介から融資付けまで相談に乗ってくれます。
また、セミナーといえば、対面形式の講義でしたが、最近では、コロナの影響でウェブ形式によるセミナーとなっていますので、参加しやすいかもしれません。
一方で、最初の1つ目の物件はあくまで自分で探して決めたいという人は、不動産投資スクールがオススメです。
financial academyが運営する不動産投資スクールは、不動産投資をしたい人のための学校です。
スクールの運営者は、受講料そのものが収益なので、物件を紹介されることもありません。
カリキュラムは、90分×15講義となっており、そのうちの1から7の講義までが物件取得に関する内容になっています。
つまり、半分近くを物件取得に費やしていることからも、その重要性がみてとれます。
リート投資では、初めて購入した銘柄のせいで行き詰ってしまうことはまずないですが、現物の不動産投資では、扱う金額も大きいことから、1発目で命取りになることもあります。
しかし、現物の不動産投資では、リート投資にないメリットもあります。
それは、市場の歪みです。
リート市場にもあるのですが、各銘柄の情報や値動きなど、一般に見えやすく情報も公開されていますので、この歪みは、現物の不動産投資の方が大きくなります。
現物の不動産投資では、情報が広く公開されている物件もありますが、そうでない物件もあります。
このことから、通常の市場価格よりも有利な価格で取引が進む場合もあります。
現物の不動産投資では、物件価格があってないような側面もありますから、やはり知識と経験が求められるわけですが、経験はともかく、必要な知識は事前に得ることが可能です。
融資
リート投資では、融資も委託していますが、現物の不動産投資では、投資家自身で行っていきます。
現物の不動産投資をしたことがない人は、銀行はお金を貸してくれるものと思われるかもしれませんが、実際、銀行は富裕層を除き、容易にはお金を貸してくれないものです。
銀行も商売です。銀行に確実な利益をもたらす案件にしか融資はしないものです。これは、銀行側の立場になれば、理解できることかと思います。
先ほどの物件取得のところでご紹介した書籍や不動産投資スクールでも一定の知識を得ることはできますが、本当の融資に関するノウハウは自分で行動して確かめるしかありません。
融資は本当に難しいです。
高金利で借りることができたとしても、利払いができずに破綻する人もいます。
始めて融資を受けるにあたっては、まずは紹介してくれる人を探した方が近道です。銀行側も紹介があれば、融資の相談を受けやすいからです。
銀行に紹介してくれる人とは、それによって利益を得る人である場合が多いです。
まずは不動産を貴方に売りたい人がそうです。また、貴方が税理士と以前から付き合いがあるならチャンスかもしれません。
もちろん、紹介がなくても相談することは可能です。飛び込みというものですね。
この場合は、不動産投資への融資に前向きな担当者に当たるまで、いくつもの銀行を回ります。
紹介があっても、なくても融資付けには、様々な覚悟が必要ですね。借金をする覚悟であったり、銀行に断られ続ける覚悟など、なかなか大変です。
リート投資では、そのような覚悟は必要ありませんから、この時点で、やはりリート投資を選択することにしてもよいでしょう。
しかし、一方で、リート投資にはなくて、現物の不動産投資にあるメリットは、融資にあります。
いわゆるレバレッジです。
借金、つまり人のお金で投資ができる、しかも千万、億の単位でとなると、現物の不動産投資の優位性はここにあります。
借金には良い借金と悪い借金があると言われますが、良い借金をうまく活用することができれば、投資の効率性はぐんと上がると思います。
税金
不動産投資は、税金との闘いと言われています。
同じ不動産投資でもリート投資は、株式投資の1種であり、税金は、約20%と決まっていますし、分離課税という有利な申告制度も用意されています。
一方で、現物の不動産投資は、総合課税であり、給料などの他の収入と合算して計算されますから、収入が多ければ、累進課税といって、税率が上昇していきます。
つまり、リート投資では、ずっと約20%の税率であるのに対し、現物の不動産投資では、収入から必要経費を除いた所得金額が695万円を超えた時点で23%、900万円を超えた時点で33%となります。
上記は国税の話なので、県税や市税も併せて上昇していきます。リート投資では、国税と市民税の合計で約20%であるため、優位性があります。
このように、現物の不動産投資では、収入が上がれば上がるほど、税金も上がっていくので、税金との闘いと言われているのです。
こうしたことから、financial academyが運営する不動産投資スクールでも「税金マネジメント」の講義が設けられています。
つまり、それほど税金マネジメントは重要です。
リート投資では、必要経費はほぼありませんが、現物の不動産投資では、この必要経費などをもって節税対策をしていきます。また、青色申告特別控除などの特別な控除制度もあります。
まとめ
以上がリート投資と対比で見た「現物の不動産投資を始めるのに必要な知識とその対策」となります。
現物の不動産投資では、物件取得と融資、そして税金マネジメントをうまく進めることができれば、リート投資を上回る利益を得ることが可能です。
わたしtisanは、リート投資で一時期、月10万を超える分配金を得るようになりましたが、投資口価格の上昇に伴い、資金をリート投資から現物の不動産投資に移してきました。
そして、月々のキャッシュフローは、リート投資のそれに比べて、数年で10倍以上になりました。
現物の不動産投資とは、それくらいの規模感です。
リート投資で一定の利益を得るようになったら、その一部を現物に変えていくことは、資産運用の一つの戦略だと思います。
リート投資との違いをおさえたうえで、正しい知識を得ながら、進めていくことが大切です。
その過程で、financial academyが運営する不動産投資スクールを利用しましたので、ご参考ください。
リート投資と比較した現物の不動産投資の特徴
- 市場の歪みが大きい
- 融資を受けての投資が可能
- 税金マネジメントが重要
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