投資対象として、リート(REIT)をおすすめしない4つの理由といった記事をネット上で見かけますね。
今回は、その理由が本当に正しいのかをチェックしていきたいと思います。
まず一般的にリートをおすすめしない記事が書かれる理由ですが、これは不動産クラウドファンディングに誘導するためのパターンが多いのではと思います。
あげられている理由には、以下の事項があります。
・元本保証がない(値下がりする)
・手数料がかかる
・複利運用がしづらい
・地震のリスクがある
これらのデメリットは、本当にリートだけにあるものでしょうか。
リートがおすすめでない4つの理由が本当にリート特有のものか、一つずつ検証していこう。
元本保証がない(値下がりする)
リートは、不動産投資信託と言われており、株式市場で売り買いされていますから、一般の株式と同様、日々値動きがあり、元本保証はありません。
しかしながら、これはリート特有のリスクではありません。株式全体の仕組みです。
また、一般に元本保証されるのは、銀行預金くらいなもので、それは投資商品ではありませんね。
不動産クラウドファンディングの場合
不動産クラウドファンディングも同様です。各社ホームページを確認すると、どこにも元本保証されるとは記載されていません。
むしろ、「元本が保証されているものではありません。」というように、元本が毀損される可能性がある商品であることがうたわれていると思います。
不動産クラウドファンディングでは、出資した投資案件の成績が悪かったり、案件を運営する事業者自体が破綻した場合は、投資額の一部又は全部が返ってこないこともあります。
もちろん、不動産クラウドファンディングは、リートのように日々の元本の変動はありませんから、基本的には元本に分配金が加算されて返ってくるのことが基本です。
【不動産クラウドファンディング】とは。~仕組みやシステム。利回りの比較~
しかし、この違いは、商品の特性であり、それをもってどちらをおすすめしないとはならないと思います。
つまり、商品の特性を理解した上で、リートへの投資と不動産クラウドファンディングへの投資を組み合わせることが寛容でしょう。
手数料がかかる
リートの売り買いには、手数料がかかりますし、運用中もリートを運用するための手数料がかかります。
これは当然のことで、リートを形作る投資法人を運用するということは、不動産を売り買いしたり、不動産を管理する職員がいて、給料も発生します。
ちなみに、某投資法人では、賃貸事業収入比で7.3%の資産運用報酬が計上されていますが、現物の不動産投資で管理会社に支払う管理費と比較して特段高額とは言えないのではないかという記事を書いたことがあります。
また、手数料がかかるというのは、不動産クラウドファンディングも同じことです。不動産クラウドファンディングも慈善事業ではありませんから、事業を行う職員がいます。
そのような事業を行う上での必要経費と利益を控除して、投資家に分配を行いますので、手数料がかかるのは、リート特有ではありません。
ちなみに、某不動産クラウドファンディング事業者の案件では、出資総額の2.7%が事業者の報酬として、分配金の6%が事業者の管理手数料として計算されています。
また、一般の株式でも企業の職員に給料を支払ったあとの残額で投資家への分配金が決定され支払われているのですから、それを管理費と言っているのか言っていないかだけの違いと見ることもできます。
複利運用がしづらい
リートは、半年に一回分配金が支払われるものがほとんどです。そのたびに税金が約20%控除されることから、複利運用がしづらいという点が指摘されています。
しかしながら、この点もリート特有ではありません。一般の株式と同じですし、不動産クラウドファンディングでも同じく20%の税金がかかります。
この点からは、むしろ不動産クラウドファンディングの方が不利になることもあります。
リートが多くの場合、確定申告において、不申告もしくは分離課税で処理方法されるのに対して、不動産クラウドファンディングは、総合課税となります。
つまり、サラリーマンの場合、分配金が給料に加算されるので、課税率が上がってしまうこともあるからです。
この点は、意外とシビアなところなので、よく確認しましょう。
総合課税となるソーシャルレンディング。サラリーマンは要注意。
地震のリスクがある
最後の4点目ですが、地震のリスクです。これは言うまでもなく、リートも不動産クラウドファンディングも不動産に投資するのですから、リスクに違いはありません。
むしろ、1,2件の不動産に投資する不動産クラウドファンディングよりも、多くの不動産に分散して投資するリートの方がリスク分散されていると思います。
また、大地震が発生したときは、一般の株式も大きく値を下げるのが経験則ですから、これもリート特有のリスクではありません。
まとめ
いかがでしたでしょうか。どの点もリート特有のリスクではありませんでしたね。
投資している不動産が複雑で分かりにくいとの指摘もあるようですが、各投資法人のホームページには、決算ごとに決算説明資料が掲載されます。
やはりどこも上場企業ですから、投資をしている不動産の情報は公開されているので、不動産クラウドファンディングと同レベルで投資不動産の情報は把握できます。
もちろん、リートは、リスクのない商品ではありませんが、そのリスクの面だけを見て、投資対象から外してしまうことは、投資機会の逸失でしょう。
商品の特性を理解したうえで、他の商品と組み合わせて、資産配分していくことが重要だね。
【リートの選び方】初めてのリート(不動産投資信託)の選び方おすすめポイント3つ
リート投資で、どの証券会社を使うか?
リートの選び方が少し理解できたところで、以下の記事では、リート投資で使いやすい証券会社はSBI証券であるという理由を書いています。
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