今回は、複合型リートの日本プライムリアルティ投資法人(8955)の第30期(2016年12月期)決算をcheckしていきたいと思います。
決算説明会資料
http://www.jpr-reit.co.jp/financial_results/uploads/170221-8c4999fbfe.pdf
主な特徴など
日本プライムリアルティ投資法人(8955)は、平成14年に上場された老舗の投資法人です。東京のオフィスに重点投資し、一定商業施設にも投資を行う複合型です。
資産運用会社は、株式会社東京リアルティ・インベストメント・マネジメントとなっており、その株主構成は、東京建物株式会社 (52%)、安田不動産株式会社 (18%)、大成建設株式会社 (10%)、損害保険ジャパン日本興亜株式会社(10%)、明治安田生命保険相互会社 (10%)となっています。
直近の業績は?
では、第30期(2016年12月期)の業績ですが、決算説明会資料の18ページに掲載されています。
(単位:百万円) | |||
第29期 | 第30期 | ||
実績 | 実績 | 前期比 | |
営業収益 | 14,246 | 15,105 | +859 |
営業利益 | 6,874 | 7,161 | +286 |
経常利益 | 5,897 | 6,153 | +256 |
当期純利益 | 5,896 | 6,152 | +256 |
一口当たり分配金 | 6,756円 | 7,048円 | +292 |
第30期は、賃料収入が増え、増収増益となります。営業利益の前期比+286のうち、+247は、既存物件の賃料収入が増えることによります。新規物件も2件取得しましたが、12月中旬の取得であったため、ほぼ次期に増収効果が持ち越されます。
9ページにもありますが、既存物件の賃料改定が増額となる割合が高水準となっており、これによる増益が前期比+286となっています。
さらに、11ページの賃料等収入前期比変動額累計というグラフをご覧いただくと、今期第30期からぐんと増額幅が伸びています。この第30期では、強気に賃料の改定や募集を実施できたオフィス環境であったことが現れていますね。
今後の業績予想
次に、第31期(2017年6月期)及び第32期 (2017年12月期)の業績予想です。決算説明会資料の20ページに掲載されています。
(単位:百万円) | |||||
第30期 | 第31期 (2017年6月期) |
第32期 (2017年12月期) |
|||
実績 | 予想 | 前期比 | 予想 | 前期比 | |
営業収益 | 15,105 | 10,106 | +1 | 15,000 | △105 |
営業利益 | 7,161 | 7,740 | +576 | 7,566 | △173 |
経常利益 | 6,153 | 6,801 | +648 | 6,647 | △154 |
当期純利益 | 6,152 | 6,800 | +648 | 6,646 | △154 |
圧縮積立金組入額 | 209 | ||||
一口当たり分配金 | 7,048円 | 7,140円 | +92 | 7,200円 | +60円 |
第31期(2017年6月期)は、増収増益となる見込みですが、増収幅はわずかです。それでも、福岡ビル及びJPR博多中央ビルを売却し、譲渡益を見込むため、大幅増益となるとのことです。また、その一部を積み立てておき、次期以降に活用を図るようです。
続く第32期は、物件売却益がなくなりますので、減収減益となる予想です。当期純利益もマイナス154百万ということで、前期よりも分配金が減少するところです。
しかし、前期31期では、一部を積みたてることによって、分配金額を減らしておりましたので、前期比+60円となる分配金メイクをしています。
投資家目線ですと、減配になるよりは、徐々に増えた方が心理的には良いものですね。気持ちの問題かもしれませんが。
決算説明会資料の25ページにもありますが、順調に右肩上がりの分配金を演出してきましたので、是が非でも分配金の徐々上がりというものを作っていきたいのでしょう。
主な投資指標
最後に、主な投資指標です。
29.7.14現在の投資口価格386,000で、第32期の予想分配金7,200円を巡航分配ペースと仮定します(さらなる物件取得やリーシングの進捗は見込まず。)。その場合、分配金利回りは、約3.7%となります。本決算時点でのNOI利回り(取得価格ベース)は、約4.7%です。また、japan-reitで公表されている直近NAV倍率は、1.33%です。
また、当期純利益と減価償却費の合計値であるFFOは、年間16,073,704千円でありますから、1口あたりFFOが18,412円程度となり、投資口価格の約4.7%です。
決算短信
http://www.nbf-m.com/nbf/sidemenu/files/tanshin_31st_period.pdf
賃貸NOI(半期) 10,091,450千円
取得価格総額 421,490,000千円
FFO(半期) 8,036,852千円
口数 873,000口
・本業は燃えているか? 本業の収益力をはかるNOI利回り。
・リート(REIT)の3つの価値から投資指標の1つであるNAV倍率を考える。
・キャッシュフローを追え! FFOを理解する。
投資主の状況
個人・その他 6.0%
金融機関(証券会社含む)62.0%
その他国内法人 9%
外国人 23.0%
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