Real Estate Investment Trust
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今回は、総合型リートのユナイテッド・アーバン投資法人(8960)の第26期(2016年11月期)決算をcheckしていきたいと思います。

決算説明会資料
http://www.heiwa-re.co.jp/site/file/tmp-r738p.pdf

主な特徴など

ユナイテッド・アーバン投資法人(8960)は、平成15年12月に上場となりました投資法人です。資産運用会社は、ジャパン・リート・アドバイザーズ株式会社となっており、その株主構成が丸紅株式会社 (95%)、極東証券株式会社 (5%)となっていますので、主なスポンサーは、丸紅株式会社(8002)です。

また、平成22年には、主に商業物件を保有運営していた日本コマーシャル投資法人と合併しています。この日本コマーシャル投資法人は、もともとパシフィックホールディングスがスポンサーとなっていましたが、平成21年3月に会社更生申請しており、スポンサー不在となっていた最中の合併でした。

総合型ということで、オフィス、ホテル、商業施設、住居など多様な投資物件を保有運営していくといった投資方針を掲げています。

なお、上記の合併により生じた負ののれんの残高は、現在75億円となっています(2016年11月期)。

【リートの基本】Jリート(REIT)の超重要要素「負ののれん」とは。

直近の業績は?

では、第26期(2016年11月期)の業績を決算説明会資料の7ページにて確認します。

(単位:百万円)
第25期 第26期
実績 実績 前期比
営業収益 21,444 22,864 +1,420
営業利益 10,591 11,057 +466
経常利益 9,224 9,349 +124
特別損失 135 △135
当期純利益 9,089 9,348 +259
配当準備積立金積立額 834 459
一口当たり分配金 3,000円 3,010円 +10

第25~26期にかけては、多くの物件入れ替えを行ってきました。この2期で、6物件を買い入れて、5物件を売却しています。このため、売却益が第25期に847百万、第26期には、1,363百万となりました。

本来ですと、分配金額が跳ね上がるのですが、配当準備積立金積立額として、積み立てをして、分配金の平準化を図る意図がみられます。

この投資法人では、配当準備積立金を積極的に積立ており、現在9億円もの残高となりました。なおかつ、負ののれんも75億円ほどあるということで、内部留保が充実しています。

今後の見通し

次に、第27期 (2017年5月期)及び第28期 (2017年11月期)の業績予想ですが、決算説明会資料の24ページです。

(単位:百万円)
第26期 第27期
(2017年5月期)
第28期
(2017年11月期)
実績 予想 前期比 予想 前期比
営業収益 22,864 22,327 +110 22,325 △2
営業利益 11,057 10,779 +110 10,737 △42
経常利益 9,349 9,549 +150 9,640 +91
当期純利益 9,348 9,548 +884 9,640 +91
一時差異等調整 積立金取崩 45 40 △290
一口当たり分配金 3,010円 3,150円 +140 3,180円 +30

第27期は、前期にあった売却益がなくなりますので、営業収益は減少となりますが、同じく前期に営業外費用として計上されていた不動産等除却損がなくなることから、経常利益の増となり、1口あたりの分配金も+140円ということで、大幅増となる見込みです。

25ページにもありますが、第21期以降5回の公募増資を実施し、第20期末48.8%⇒第26期末42.8%とLTVを低減しながらも、6期連続増配となっており、かつ内部留保も増えているということで、安定運用の体制を固めることができているのではないでしょうか。

主な投資指標

最後に、主な投資指標です。

29.5.17現在の投資口価格164,500で、第28期の分配金3,180円を巡航分配ペースと仮定します(さらなる物件取得やリーシングの進捗は見込まず。)。その場合、分配金利回りは、約3.8%となります。本決算時点でのNOI利回り(取得価格ベース)は、約5.3%です。また、japan-reitで公表されている直近NAV倍率は、1.17%です。

また、当期純利益と減価償却費の合計値であるFFOは、年間26,466,556千円でありますから、1口あたりFFOが8,962円程度となり、投資口価格の約5.4%です。

決算短信
http://www.united-reit.co.jp/file/ir_library_term-523efee0495fe4ba5de7822c7e3be3f2e05b359b.pdf

賃貸NOI(半期) 15,679,701千円
取得価格総額 590,439,000千円
FFO(半期) 13,233,278千円
口数 2,953,022口

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