今回は、複合型リートのアクティビア・プロパティーズ投資法人(3279)の第10期(2016年11月期)決算をcheckしていきたいと思います。
決算説明会資料
https://www.activia-reit.co.jp/site/file/tmp-gRvr4.pdf
主な特徴など
アクティビア・プロパティーズ投資法人(3279)は、平成24年6月に上場となりました投資法人です。翌年の25年度からJリートの上場ラッシュが始まるわけですが、この投資法人は、そのいわば前夜に上場となっています。
「Activia(アクティビア)」とは、「活気を与える」を意味する「Activate」と「場所」を意味する接尾語「ia」からなる造語とのことです。
なお、資産運用会社は、東急不動産リート・マネジメント株式会社となっており、スポンサーは、東急不動産(3289)です。投資方針としては、都市型商業施設及び東京オフィスへの重点投資を行うとしています。
直近の業績は?
では、第10期(2016年11月期)の業績ですが、4ページに掲載されています。
(単位:百万円) | |||
第9期 | 第10期 | ||
実績 | 実績 | 前期比 | |
営業収益 | 10,175 | 10,917 | +742 |
営業利益 | 5,926 | 6,161 | +235 |
経常利益 | 5,197 | 5,410 | +213 |
当期純利益 | 5,196 | 5,409 | +213 |
一口当たり分配金 | 8,666円 | 9,021円 | +355 |
第10期は、梅田ゲートタワー(88.4%区分所有権)、A-PLACE五反田駅前、A-PLACE⾺⾞道を取得し、増収増益となりました。すべて借入金及び自己資金による買い入れとなりましたので、分配金増額にも大きく寄与しました。
今後の見通し
次に、続く第11期(2017年5月期)と第12期(2017年11月期)の業績予想です。6、7ページに掲載されています。
(単位:百万円) | |||||
第10期 | 第11期 (2017年5月期) |
第12期 (2017年11月期) |
|||
実績 | 予想 | 前期比 | 予想 | 前期比 | |
営業収益 | 10,917 | 11,905 | +988 | 12,242 | +336 |
営業利益 | 6,161 | 6,895 | +734 | 6,925 | +29 |
経常利益 | 5,410 | 6,065 | +654 | 6,099 | +34 |
当期純利益 | 5,409 | 6,064 | +654 | 6,098 | +34 |
一口当たり分配金 | 9,021円 | 9,116円 | +95 | 9,167円 | +51 |
続く第11期も前期を上回る大幅増収増益となる見込みですね。前期に取得した物件の通期寄与分とさらに取得した汐留ビルディング(10%持分追加取得)、A-FLAG美術館通り、A-FLAG骨董通り、A-FLAG代官山ウエストによる増収分です。
A-FLAG骨董通りは、借入金及び自己資金による取得ですが、それ以外の3物件は、昨年11月に実施した公募増資によるものです。第10,11期は、非常に積極的に物件を取得しています。
続く第12期は、第11期に取得した物件の通期寄与効果で、引き続きの増収となる予想ですが、第10期に取得した固都税が開始となるため、増益幅は限定的となります。
固都税の開始
なお、不動産にかかる固都税の費用化の開始は遅れてやってきます。これは、一般の現物不動産投資においても同様ですし、そもそもがどちらも現実の不動産取引があるわけですから、同じことです。
固都税は、毎年1月1日時点の不動産保有者にかかることになっているため、取引の時点では、すでに当該時点の保有者に発生しているのです。ついては、だいたいの場合、不動産取引の時点で、日割りなどをして、売主買主間で清算を行うのです。
買主におけるこうした精算分は、経費として費用計上するのではなく、取得価格に含めることになっているため、不動産を取得した決算期には、取得不動産の固定資産税はありませんし、また、実際に支払った額ではなく、取得価格を減価償却する中で、経費化されるのです。
よって、不動産を取得した決算期には、固都税は発生せず、精算額も減価の中に含まれることになり、固都税が遅れてやってくるのです。
主な投資指標
最後に、主な投資指標です。
29.5.26現在の投資口価格532,000で、第12期の分配金9,167円を巡航分配ペースと仮定します(さらなる物件取得やリーシングの進捗は見込まず。)。その場合、分配金利回りは、約3.4%となります。本決算時点でのNOI利回り(取得価格ベース)は、約4.5%です。また、japan-reitで公表されている直近NAV倍率は、1.38%です。
また、当期純利益と減価償却費の合計値であるFFOは、年間12,923,652千円でありますから、1口あたりFFOが21,551円程度となり、投資口価格の約4.0%です。
決算短信
http://www.activia-reit.co.jp/site/file/tmp-Wt22z.pdf
賃貸NOI(半期) 8,135,925千円
取得価格総額 356,870,000千円
FFO(半期) 6,461,826千円
口数 599,654口
・本業は燃えているか? 本業の収益力をはかるNOI利回り。
・リート(REIT)の3つの価値から投資指標の1つであるNAV倍率を考える。
・キャッシュフローを追え! FFOを理解する。
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