Real Estate Investment Trust
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今回は、総合型リートのプレミア投資法人(8956)の第28期(2016年10月期)決算をcheckしていきたいと思います。

決算説明会資料
http://www.pic-reit.co.jp/file/top_financial-2c3c6323c6b21a814e5da2e1fb9c8322985776b1.pdf

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主な特徴など

プレミア投資法人(8956)は、2002年、6番目に上場となった歴史ある投資法人です。リート第1号が生まれたのは、2001年ですから、非常に初期から運営が始まっていたことが分かります。

上場以来の約10年間は、スポンサーを高級賃貸物件を扱う不動産屋であるケン・コーポレーション、日興ビルディング、中央三井アセットマネジメント、三井住友海上火災保険とし、運営されていました。2010年には、NTT都市開発が資産運用会社であるプレミア・リート・アドバイザーズの株式を53.1%取得し、筆頭株主となっています。

この際、NTTグループ会社がスポンサーになったということで、安堵した投資主も少なくありませんでした。当時は、プレミア投資法人(8956)の保有するオフィスから大型の退去が続いておりましたので、NTT系列の会社が入居することが期待された面もあります。

実際、運用報告書の7ページには、そのことが自慢げに書かれていますから、その思惑は実現されたようです。ただ、当時のわたしは、NTTという大会社がメインスポンサーになったことで、かえって、草食系リートになるのではと考え、保有の投資口を売却をした覚えがあります。

その後、2014年には、ケネディクスがケン・コーポレーションの株式を取得し、第2位の株主として参画しています。

直近の業績は?

では、第28期(2016年10月期)の業績ですが、2ページに記載されています。

(単位:百円)
第27期 第28期
実績 実績 前期比
営業収益 8,094 8,423 +329
営業利益 3,749 3,840 +91
経常利益 3,241 3,338 +97
当期純利益 3,240 3,335 +95
一口当たり分配金 2,460円 2,533円 +73

この投資法人の説明会資料は、書いてほしいところが書かれていない部分が多いので、分かりにくいと思います。しかも、やたらと資料が見にくいので、大手NTTだからか、とも思ってしまうところです。

なお、第28期は、新規物件の買い入れはありませんでしたが、前期の2月に取得した物件が通期寄与し、増収となっています。



今後の見通し

次に、続く第29期、第30期の業績予想ですが、25ページに掲載されています。

(単位:百万円)
第28期 第29期
(2017年4月期)
第30期
(2017年10月期)
実績 予想 前期比 予想 前期比
営業収益 8,423 8,344 △79 8,285 △59
営業利益 3,840 3,695 △145 3,647 △48
経常利益 3,338 3,228 △110 3,179 △49
当期純利益 3,335 3,227 △108 3,178 △49
一口当たり分配金 2,533円 2,450円 △83 2,450円 +0

第29期には、営業収益が減となります。なぜそうなるのかは、残念ながら、説明会資料には、書かれていませんので、決算短信を見て確認するしかありませんが、物件入れ替えにより、増収効果や不動産売却益が見込まれるものの、一部テナントの退去と季節要因による水道光熱費収入の減収によるものとのことです。

しかも、第29期の分配金は、物件入れ替えに伴う不動産等売却益138百万円(見込み)がすべて投入されるとともに、続く第30期の分配金には、過去に積立てた不動産等売却益に係る圧縮積立金(260百万円)のうち48百万円を取り崩して当期純利益に参入するとありました。

そもそも第28期から第29期にかけては、一口当たり分配金2,533円から2,450円と減配となるわけですが、不動産売却益がなかったら、さらに下落していたことになります。また、第30期に取り崩して分配金原資に充当する圧縮積立金は、過去の売却益を積み立てておいた留保金で、これを取り崩して分配に充てるのですから、貯金を使ったよということになりますね。

直近だけ見ると非常に印象が悪いわけですが、さらに長期で確認すれば、分配金は上昇しているので、このあたりも説明会資料上でもっと説明しておくべきではないでしょうか。

とはいいましても、この先の第31期以降では、圧縮積立金の残り212百万を少しずつ取り崩すとしても、稼働率の上昇により既存の収益が底上げされるか、新規物件の取得でもしない限り、この先さらなる分配金の下落といったこともあり得るのでしょう。

主な投資指標

最後に、主な投資指標です。

29.4.19現在の投資口価格123,800で、直近の物件取得を考慮し、第30期の分配金2,450円を巡航分配ペースと仮定します(さらなる物件取得やリーシングの進捗は見込まず。)。その場合、分配金利回りは、約3.9%となりますが、第31以降の分配金は、物件取得やリーシングの進捗に変化がない場合には、さらに下振れる可能性があります。

本決算時点でのNOI利回り(取得価格ベース)は、約3.6%です。また、japan-reitで公表されているNAV倍率は、1.2%です。

また、当期純利益と減価償却費の合計値であるFFOは、年間9,316,732千円でありますから、1口あたりFFOが7,074円程度となり、投資口価格の約5.7%です。

個人的には、この投資法人は、今後の雲行きが非常に厳しいと考えておりますので、利回りの水準もNAV倍率も評価され過ぎではないかと判断しています。

決算短信
http://www.pic-reit.co.jp/file/top_financial-738f739d4efc2fa181e2df7e7a5c0579bd59e2be.pdf

賃貸NOI(半期) 4,315,648千円
取得価格総額 235,960,000千円
FFO(半期) 4,658,366千円
口数 1,316,995口

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