今回は、総合型リートの積水ハウス・リート投資法人(3309)の第4期(2016年10月期)決算をcheckしていきたいと思います。
決算説明会資料
http://sekisuihouse-reit.co.jp/file/top-ecb46835a40d18f7245424f0f66d37ffc2a0b38c.pdf
主な特徴など
積水ハウス・リート投資法人(3309)は、平成26年12月に上場となりました比較的新しい投資法人です。スポンサーである積水ハウス(1928)は、他にも積水ハウス・SI レジデンシャル投資法人(8973)のスポンサーとなっていますが、単独として初になります。
総合型ということで、オフィスを8割、商業・ホテル等で2割という方針にしていますが、現在のところは、オフィス10割にて運営がされています。
直近の業績は?
では、第4期(2016年10月期)業績を確認してみましょう。決算説明会資料の3ページです。
(単位:百万円) | |||
第3期 | 第4期 | ||
実績 | 実績 | 前期比 | |
営業収益 | 3,467 | 4,059 | +591 |
営業利益 | 2,278 | 2,664 | +386 |
経常利益 | 1,967 | 2,321 | +353 |
当期純利益 | 1,966 | 2,320 | +353 |
一口当たり分配金 | 2,477円 | 2,596円 | +119 |
第4期は、公募増資により3物件を追加取得したことから、増収となりました。公募増資による口数増加があったものの、1口あたりの分配金も前期比プラス119円となりました。LTVもいまだ40%水準ということで、今後も規模拡大が期待されます。
今後の見通し
次に、第5期(2017年4月期)、第6期(2017年10月期)の業績予想ですが、4ページに掲載されています。
(単位:百万円) | |||||
第4期 | 第5期 (2017年4月期) |
第6期 (2017年10月期) |
|||
実績 | 予想 | 前期比 | 予想 | 前期比 | |
営業収益 | 4,059 | 4,140 | +80 | 4,149 | +9 |
営業利益 | 2,664 | 2,686 | +21 | 2,657 | △29 |
経常利益 | 2,321 | 2,361 | +40 | 2,315 | △45 |
当期純利益 | 2,320 | 2,360 | +39 | 2,314 | △49 |
一口当たり分配金 | 2,596円 | 2,640円 | +44 | 2,590円 | △50円 |
第5期(2017年4月期)も第4期に取得した物件が通期寄与するため、増収となる見込みです。なお、第4期に取得した物件の固都税は、一部が第5期に、残りを第6期に計上開始となるため、第6期には、営業減益となり、減配となることが予想されています。
固都税の開始
この固都税の費用計上が遅れてやってくることについては、以前以下の記事でも取り上げておりますが、物件を取得した期には、物件の価格に含めてしまいますので、通常、固都税として費用計上されるのは、翌期、翌々期になります。
どちらもキャッシュフローとして外に出ていくのは、同じなのですが、物件の価格に含まれると、減価償却として、徐々に費用計上され、固都税で費用計上されれば、賃貸営業費用として、当該期の費用として丸ごと計上されることが異なります。
主な投資指標
最後に、主な投資指標です。
29.4.24現在の投資口価格146,500で、第6期の分配金2,590円を巡航分配ペースと仮定します(さらなる物件取得やリーシングの進捗は見込まず。)。その場合、分配金利回りは、約3.5%となります。本決算時点でのNOI利回り(取得価格ベース)は、約4.1%です。また、japan-reitで公表されている直近NAV倍率は、1.05%です。
また、当期純利益と減価償却費の合計値であるFFOは、年間5,938,864千円でありますから、1口あたりFFOが6,643円程度となり、投資口価格の約4.5%です。
同じく4月決算のケネディクス・オフィス投資法人(8972)の指標と見比べていただくと、NOI利回りFFO利回りともに、若干弱めになっていますが、同水準にまで買い進められているのは、スポンサー力というものでしょうか。
決算短信
http://sekisuihouse-reit.co.jp/file/top-098bb1c4179cfdebc5e91597a8bf8e726cab2306.pdf
賃貸NOI(半期) 3,686,941千円
取得価格総額 179,550,000千円
FFO(半期) 2,969,432千円
口数 894,000口
・本業は燃えているか? 本業の収益力をはかるNOI利回り。
・リート(REIT)の3つの価値から投資指標の1つであるNAV倍率を考える。
・キャッシュフローを追え! FFOを理解する。
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