今回は、商業系リートのケネディクス商業リート投資法人(3453)の第3期(2016年9月期)決算をcheckしていきたいと思います。
決算説明会資料
http://www.krr-reit.com/file/top-0109078d99e1b2f26f28a97f57285767f724efad.pdf
主な特徴など
ケネディクス商業リート投資法人(3453)は、2014年に上場されたまだ新しい投資法人です。
スポンサーは、ケネディクス(4321)であり、他にもケネディクス・オフィス投資法人(8972)やケネディクス・レジデンシャル投資法人(3278)があります。
ケネディクス商業リート投資法人(3453)は、首都圏を中心に、大阪や名古屋などの政令指定都市において商業物件を保有し、運営を行っています。
この法人の方針は、商業施設のボリュームゾーンを形成しているスーパーマーケットや家電量販店など生活必需品を扱う生活密着型商業施設中心に保有していくとうたっております。
直近の業績は?
第3期(2016年9月期)の業績は、説明資料の13ページです。
(単位:百円) | |||
第2期 | 第3期 | ||
実績 | 実績 | 前期比 | |
営業収益 | 5,540 | 6,373 | +833 |
営業利益 | 2,826 | 2,973 | +147 |
経常利益 | 2,428 | 2,519 | +90 |
当期純利益 | 2,427 | 2,518 | +90 |
一口当たり分配金 | 6,846円 | 5,974円 | △872 |
第3期(2016年9月期)は、2015年に取得した物件の通期寄与及び2016年に取得した物件があるため、賃貸営業収入が大幅に増えておりますが、2015年に取得した物件の固都税が開始となっため、営業利益の伸びも抑えられています。
なお、固都税の費用化が遅れてやってくることについては、以下記事の「固都税の費用計上の仕組み」にて、説明をしております。
また、当期純利益は、増えておりますが、2016年4月に実施した公募増資により、投資口主数(株式でいう「株主数」)も増えておりますので、1口あたりの分配金は減少となりました。
今後の見通し
次に、第4期(2017年3月期)及び第5期(2017年9月期)の業績予想が説明資料の14、15ページにありますので、見ていきましょう。
(単位:百万円) | |||||
第3期 | 第4期 (2017年3月期) |
第5期 (2017年9月期) |
|||
実績 | 予想 | 前期比 | 予想 | 前期比 | |
営業収益 | 6,373 | 6,398 | +24 | 6,451 | +52 |
営業利益 | 2,973 | 3,007 | +34 | 2,925 | △82 |
経常利益 | 2,519 | 2,547 | +27 | 2,464 | △82 |
当期純利益 | 2,518 | 2,546 | +27 | 2,463 | △82 |
一口当たり分配金 | 5,974円 | 6,040円 | +66 | 5,843円 | △197 |
第4期は、2016年に取得した物件のフル稼働ということで、増収増益となりますが、続く第5期は、2016年に取得した物件の固都税の開始ということで、また押し戻される予想です。
この先物件を取得するなどがなければ、この第5期が巡航の分配ペースということになりそうです。
ちなみに、説明資料の22ページをご覧ください。2016年にケーズデンキ新守山店の底地を鑑定NOI利回り4.4%にて取得しています。底地ですから、土地だけ買って、建物の所有者等に土地を賃貸することになります。
土地は、減価償却がありませんので、会計上減価償却費として、投資法人にフローされることがなく、分配金に回ってくるという利点が投資家にはあります。また、土地は、建物と違って経費もあまりかかりません。
ただ、一方で、一度退去すると、また大型の借主を探してこなければならないというリスクはあろうかと思います。
このように、ケネディクス商業リート投資法人(3453)の一つの特徴として、底地物件が多いということもあげられます。この底地投資をどんどん増やしていくというのは、面白いかもしれませんね。
ちなみに、説明資料43ページにもありますが、物件供給のサポート会社に日本商業開発株式会社(3252)が参加しています。この会社は、名古屋などを中心に活動している底地投資のスペシャリストです。
最近、商業施設リートにネガティブな報道も出ていますので、頑張ってほしいと思います。
REITに下押し圧力 商業施設の退店リスク意識 :日本経済新聞 https://t.co/sUCCXleBwG
— tisan (@jreit_org) 2017年3月18日
主な投資指標
最後に、主な投資指標です。
29.3.17現在の投資口価格258,500で、第5期の予想分配金利回りを巡航分配ペースと仮定すると、約4.5%となっており、本決算時点でのNOI利回り(取得価格ベース)は、約4.1%です。また、japan-reitで公表されているNAV倍率は、1.08%です。
決算短信
http://www.krr-reit.com/file/top-1c2485c48dc87e5776a6636e9c550c7173306e58.pdf
賃貸NOI(半期) 3,260,058千円
取得価格総額 158,766,000千円
FFO(半期) 3,234,136千円
口数 422,450口
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