Real Estate Investment Trust
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今回は、商業施設特化型リート日本リーテルファンド投資法人(8953)の2016年8月(第29期)決算をcheckしたいと思います。

決算説明会資料
http://www.jrf-reit.com/upd2/ir_library/pdf/ir7325818639C122732.pdf

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主な特徴など

日本リーテルファンド投資法人(8953)は、三菱商事株式会社とユービーエス・アセット・マネジメント・エイ・ジー(USB)がスポンサーとなっています。ユービーエス・アセット・マネジメント・エイ・ジー(USB)は、スイスのチューリッヒに本拠を置く金融グループです。

JリートならぬJリーグであれば、オリジナルテンともいうべき2002年上場の歴史ある投資法人です。

直近の業績は?

さて、第29期となる業績の概要は、説明資料の24ページに掲載されています。

(単位:百万円)
第28期 第29期
実績 実績 前期比
営業収益 32,017 37,078 +5,060
営業利益 13,684 13,841 +156
営業外費用 2,539 2,447 △92
経常利益 11,154 11,396 +241
当期純利益 10,912 10,820 △91
一口当たり分配金 4,200円 4,250円 +46

説明資料の24ページに掲載されています。営業収益が大幅増となっていますが、これは+5,237百万となる物件の売却益です。イオン物件売却による賃料等の減が△412百万となっているように、イオンを5物件売却しています。

4ページにもありますとおり、テナント分散ということで、2013年には、40.7%あったイオンモールの物件比率を直近24.3%にまで減らしています。今後も更なるテナント分散となりますので、引き続き物件の入れ替えをしていくようです。このイオン5物件の平均償却後NOI利回りは、3.3 %だったようですし、引き続き2016年8月に売却した3物件も2.0%と低い利回りでした。

また、一方では、その岸和田等3物件の売却により5,257百万円もの売却損を計上しています。イオンモールの売却で儲けた譲渡益をほぼもっていかれています。そのほか、既存物件(賃料収入の減少△352、その他運営収益の減少△89)というのがあり、気になるところですが、この第29期は、物件の売却を8物件実施しつつ、公募増資で新たに物件を買い入れており、非常に動きのあった期でした。

これだけの動きがあったにもかかわらず、分配金は、4,200円から4,250円ということで、微増に落ち着いたところがある意味歴史ある投資法人の運転と言えるでしょうか。

なお、この法人は、2010年にラサール ジャパン投資法人と合併した際に生じた「負ののれん」が3,138百万あります。25ページの貸借対照表にも計上されていますね。これは、野村不動産マスターファンド投資法人(3462)でも、少し説明をしましたが、合併時における会計上の被取得企業(TOP)の時価純資産に対し、会計上の取得企業(本投資法人)による取得価額が下回った場合の、その差額をいいます。

【2月決算REIT】合併続きの野村不動産マスターファンド投資法人(3462)、のれんに注意!

野村不動産マスターファンド投資法人(3462)の場合は、これが上回ったので、「正ののれん」だったわけですが、日本リーテルファンド投資法人(8953)は、いまだ3,138百万もの負ののれんを持っているので、今回これを取り崩してさらに分配金を支払うことも可能だったのですが、ちょうどいい程度に着陸させることができたため、この負ののれんには触っていません。

今後の見通し

26ページには、続く2017年2月期(第30期)と2017年8月期(第31期)の業績予想が掲載されています。

(単位:百万円)
第29期 第30期 第31期
実績 予想 前期比 予想 前期比
営業収益 37,078 31,631 △5,446 30,069 △1,562
営業利益 13,841 13,710 △131 13,051 △658
経常利益 11,396 11,390 △6 10,780 △610
当期純利益 10,820 10,820 +568 10,779 △610
積立金繰入 543 +543 △67
一口当たり分配金 4,250円 4,250円 4,250円

物件の売却益が減少し、減収となりますが、分配金に変わりはありません。決算短信にも書いてありますが、第30期では、イオンモール香椎浜を売却し、約1,386百万円の収益を見込んでいます。

そして、決算短信の12ページを見ますと、543百万円について、配当積立
(又は一時差異等調整積立金)として内部留保を行うとあります。普通、現物不動産投資でも、売却益は当該年度に収益として計上し、税金をきっちりし払わされますが、リートの投資法人では、将来の配当積立としておくことで、税負担がかからないようにできます。

今回、積み立てなければ、さらに4,250円を超える分配金の支払が可能だったのですが、おそらく次期以降の分配計画も加味した結果、内部留保しておくことにしたのでしょう。第30期に大盤振る舞いしても、第31期で巡航ペースに戻った時に減配と言われてしまうよりも、将来にわたって、一定の分配ペースを守るための余力としておくことにしたのです。

以上のように、非常にお堅い運営をしていることが分かります。負ののれんでさえ、まだ留保しつつの安全運転をしているので、物件の売却益などによる下振れ要因があったとしても、4,250円以上の分配水準はしばらく守ることでしょう。

なお、21ページに小さな字で書いてありますが、2017年8月期(第31期)以降、配当積立金の償却を開始予定、とあります。実際、第31期は、減収の減配になるところでしたが、67百万を取り崩して、分配金4,250円を維持しています。今後巡航ペースで、分配金4,250円を支払えるようになれば、積立金を活用してさらに上乗せされることも想定されます。

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