Real Estate Investment Trust
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今回は、地域特化型リートである福岡リート投資法人(8968)の第24期(2016年08月期)決算をcheckしていきたいと思います。

決算説明会資料
http://www.fukuoka-reit.jp/reit_apps/upload/librarypdfs/presentation_ja_20161017084750.pdf

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主な特徴など

福岡リート投資法人(8968)は、日本初の地域特化型REITとうたっているとおり、福岡を中心とする九州全体及び山口県・沖縄県エリアを投資対象として、商業施設やオフィスビルを中心に保有をしています。

直近の業績は?

さて、第24期(2016年08月期)の業績ですが、説明資料の7ページに決算の概要が掲載されています。

(単位:百万円)
第23期 第24期
実績 実績 前期比
営業収益 8,343 8,234 △109
営業利益 3,141 3,069 △72
経常利益 2,670 2,616 △54
特別損失 1,751
当期純利益 2,669 938 △1731
一時差異等調整引当額 1,660
一口当たり分配金 3574円 3560円

第23期から第24期にかけての分配金は、3574円→3560円ということで、微減します。8ページにもありますとおり、第19期からずっと分配金を減らすことなく、運営をしていましたが、第24期で久々の減配ということになりました。

その要因となりましたのは、物件の売却を行い、特別損失を計上しましたのと、熊本地震により熊本インターコミュニティSCが被災及び一時影響停止となったことで、これも特別損失となっています。

ただ、地震による損害は比較的軽微で、地震保険もでるようですが、さらにインバウンド消費の一服でキャナルシティ博多からの賃料が減少しているとあり、苦しい展開となっているようです。

さて、物件売却に関しては、説明資料の5ページにもありますとおり、イオン原SCの売却で、1,659百万の売却損を出しています。一方で、同時期に売却するレジデンスのAqualia警固にかかる売却益1,653百万による相殺という形になっています。

再び7ページに戻りますが、本来ですと、両物件とも引き渡しが次期の第25期になるため、両方とも第25期の決算にて、相殺してしまった方が分かりよいのですが、投信法に基づき、イオン原SCの売却が第24期決算の監査終了前の決定事項に該当するということで、第24期決算での損失として、会計上計上されることになるということです。一方で、税務上は、第25期決算での損失として把握されるため、会計上は第24期、税務上は、第25期という、いわゆる税会不一致が発生するということが7ページには書いてあるのです。

なお、イオン原SCよりも売却決定が遅かったと思われますAqualia警固は、通常通り、会計上も税務上も第25期に売却益が計上されることになっています。

上記のように、物件の売り買いが会計をまたいでしまいますと、第24期では、分配金がガツンと減ってしまい、投資家に不利益を与えてしまうことになりますから、利益を超えて分配金を支払おうとするわけですが、従来の制度では、利益を超えて支払う分に法人税が課せられてしまうため、二重課税となってしまうという不都合がありました。

これを解消するため、2015年の税制改正では、一時差異等調整引当額という科目を新設し、これを配当等の額に含めることとしました。つまり、今回、一時差異等調整引当額として、1,660百万を引当額として、計上し、イオン原SCの損失に相当する分の配当金の穴埋めをしていますが、従来ですと、これに法人税が課せられたわけです。法改正により、こうした利益超過分配を無税とすることが可能になり、今回、福岡リート投資法人(8968)の第24期の決算に、引き当てられている引当金はこうした事項です。

このことにより、税会不一致による投資家の不利益を回避することができるようになったのです。

今後の見通し

次に、続く第25期の業績予想につきましては、14ページに掲載されています。

(単位:百万円)
第24期 第25期 第26期
実績 予想 前期比 予想 前期比
営業収益 8,234 9,707 +1473 8,008 △1,699
営業利益 3,069 4,517 +1448 2,820 △1,697
経常利益 2,616 4,127 +1510 2,466 △1,660
当期純利益 938 4,126 +3187 2,465 △1,660
一時差異等調整引当額 △1660
一口当たり分配金 3,560円 3,300円 3,300円

第25期は、大幅増益となっていますが、そのうち1,655百万は、Aqualia警固の売却益となっています。この売却益は、前期第24期計上した一字差異等調整引当金の戻しによりほぼ相殺されますので、第25期の利益には貢献しません。

また、第25期は、スポーツクラブNASパークプレイス大分を取得しますが、イオン原SCとAqualia警固の収益がなくなります。結果、2物件売却で売却益はほぼ相殺され、収益も減ることになります。長期的にはリスクは低くなると判断して今回実行したのでしょうから、ここからが挽回時になります。

とはいえここにきて向かい風も吹いています。キャナルシティ博多博多からの賃料収入減が第24期から発生しており、この影響も大きいものとなっています。インバウンド消費の減が効いているとのことで、キャナルシティ博多博多からの賃料収入減が続くと予想されています。

このような中、続く第26期では、現在のところ、物件の入れ替えはなく、以降が巡航ペースとなりそうですから、今後はこの第26期に向けて、どのように動いていくのかが注目点です。説明資料の4ページにも書いてありますが、分配金を元の水準に戻していくのが当面の目標になるでしょう。

稼働率は、これ以上上昇しない水準にありますし、商業物件もインバウンド消費が一服ということで、賃料収入の増加待ちというのも厳しいのかもしれません。そうなると、物件取得による外部成長を進めることになろうかと思います。

有利子負債比率LTVは、第24期で、40.1%となっていますので、借入と公募増資を組み合わせながら、分配金が上がるような物件取得を検討していくことになるでしょう。

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