Real Estate Investment Trust
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のっけからポジトークですが、先日、不動産投資がどうしてもしたいと思ったら、リートをおススメしますというツイートをさせていただきました。

この流動性の高さというのは、出口(売る)の容易さという観点はもちろんありますが、現物不動産を買うときの問題でもあります。現物不動産の場合は、アパートであれば、よほどの地方物件でもない限り1千万単位の買い物ですが、その案件は世界に1つしかないわけですから、誰よりも早く買付申込し、融資付けをしなければなりません。

ですから、ときには、情報が不十分なまま見切り発車的な判断が必要になるわけですから、相続税対策でもない限り、わざわざ現物不動産に手を出す必要はないのではないでしょうかと考えているわけです。決して、わたしが半年かけて追っていた物件を契約直前で逃したから、というだけの理由ではありません。

さて、なかなか買える物件が少ないという状況は、投資法人にとってもある程度同じ状況と言われています。

動き鈍いREITの物件取得 価格高騰で物件買えず(日経マネー)
https://style.nikkei.com/article/DGXMZO22393930Y7A011C1000000?channel=DF130120166363

価格同様、REITの物件取得も低調だ。17年度上半期(4~9月)の物件取得額は5585億円と、前年同期の9776億円から大幅に減少している。これは既存上場銘柄の物件取得(外部成長=物件取得による資産規模拡大)が大幅に減ったためだ。上半期の既存上場銘柄による物件取得額は、16年の7402億円から17年の3856億円へと、ほぼ半減した。(29.11.3 日経マネー)

リートが物件の購入に踏み切れないのは、物件が高騰しているという事情のほか、投資口価格の低迷により公募増資による資金調達という手法が限定的になっているという状況がありました。市況の悪いタイミングで、公募増資を行うと、ディスカウント増資になりやすいからです。

このあたりの詳しいことは、以下をご参考ください。

【リート考】リートにおける良い増資(PO)と悪い増資の見定め方。

逆にいうと、1月に東証リート指数が上昇し、久々の1700台を回復、1750を超えてきたという流れの中で、公募増資をリリースした投資法人が相次いだのも、こうしたタイミングを待っていたということでもあったのです。

実に、マリモ地方創生リート投資法人(3470)、コンフォリア・レジデンシャル投資法人(3282)、スターアジア不動産投資法人(3468)、三井不動産ロジスティクスパーク投資法人(3471)、阪急リート投資法人(8977)、MCUBSMidCity投資法人(3227)、野村不動産マスターファンド投資法人(3462)、G L P 投 資 法 人(3281)、福岡リート投資法人(8968)という9投資法人が1月から2月上旬にかけて一斉に公募増資を発表するという異例のラッシュでしたね。

何なんですかこれは、ということですが、どの法人もできる限り市況の良いタイミングで公募をかけ、より高い価格で投資口を募集したいということです。実際にその戦略は、成功したのでしょうか?

今日は、その投資法人の1つ、スターアジア不動産投資法人(3468)の公募増資とその後の業績予想について、少し詳しく見ていきたいと思います。

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スターアジア投資法人(3468)の公募増資

スターアジア不動産投資法人(3468)は、新年3法人目の1月12日に公募増資をリリースしています。生き残りをかける側の法人として、なかなか素早い対応をしています。

一方で、先ほどの9法人の中で、当面の天井をうった感じとなった1月下旬以降にリリースした法人の面々を見ると、わたし個人が旧態依然だと思っている法人の名前がいくつかありますが、たぶんそういうことです。

公募増資の結果

さて、ここで平成29年7月期 決算短信(REIT)をみてみましょう。26ページです。
http://starasia-reit.com/file/top_financial-034678db708155ee4bb06101799fa99cf8f93518.pdf

[1口当たり情報に関する注記]

当期
1口当たり純資産額 101,116円

一方で、今回の公募増資の発行価格は、106,724円でした。
http://starasia-reit.com/file/news-60dcb54563c5eafe356d716e3989a482e7287c14.pdf

ちなみに、発行価額は103,002円でしたが、この違いを詳しく知りたい方は、以下をご参考ください。

【2月決算REIT】森トラスト・ホテルリート投資法人(3478)のIPOで誰が儲かった? 業績と今後の見通し。

わたしは、いつもこの投資法人が証券会社に引き受けてもらう投資口である発行価額の価格と1口あたりの純資産を見ているのですが、今回は、タイミング的には、いわゆる「可」でしたため、プレミアムとまで言えないとしても、まあまあだったと思います。

業績予想

次に、公募増資を利用して取得した物件の効果である業績予想を見てみます。

平成30年1月期及び平成30年7月期の運用状況の予想の修正並びに平成31年1月期の運用状況及び分配金の予想に関するお知らせ
http://starasia-reit.com/file/news-25108451b2d928fafc0792309303e6275c7e2af3.pdf

平成30年1月期の運用状況の予想の修正 4,039 円→4,039 円

平成30年7月期の運用状況の予想の修正 2,750 円→2,750 円

平成31年1月期の運用状況及び分配金の予想 2,804 円

平成30年1月期及び平成30年7月期ともに、分配金の上方修正はなしでした。なお、平成30年1月期から平成30年7月期にかけて分配金が大幅ダウンしていますが、これに関しては、以前の記事をご覧ください。

【7月決算REIT】売却益の投資家還元により投資口価格上昇中。スターアジア不動産投資法人(3468)の業績をcheck!

上記記事でも書いていますが、平成30年1月期の分配金4,039 円という数字は、物件売却による一時的な分配増であるため、もともとの第3期予想である2,726円が巡航分配ペースです。そして、今回の公募増資によって10,743百万もの物件取得を行ったのですが、この新規取得物件が通期稼働する平成31年1月期における分配金は、2,804 円ということです。

どうでしょうか。うーん、こんなもんかという印象ですか?

ですが、リート投資において、重要なのは、その次(平成31年7月期)がどうなるかということを考えることです。それがわかれば、先回りした行動が可能だからですね。

そこで、読んでおくべき情報の1つに、先ほどの「平成30年1月期及び平成30年7月期の運用状況の予想の修正並びに平成31年1月期の運用状況及び分配金の予想に関するお知らせ」にある1文です。

「取得予定資産に係る平成 30 年度の固定資産税及び都市計画税等は平成30年7月期及び平成31年1月期において費用計上されません。取得予定資産に 係る固定資産税及び都市計画税等については平成31年7月期より費用計上されることを見込んでいます。」

つまり固都税の費用化は遅れてやってくるということを確認しておきましょう。この固都税の費用化についても、以前スターアジア不動産投資法人(3468)の記事で書いています。

【1月決算REIT】スターアジア投資法人(3468)の利回りが高いワケと今後。

ということを踏まえると、平成31年7月期は、固都税の費用化があるため、普通にやっていたら分配金2,804 円は確保できないということです。普通にやっていたらということは、例えば、前期の譲渡利益の積立金を取り崩して分配金に充てるとかをすれば、別ですね。

いまいちパッとしないのはなぜか

気になるのはそこですね。タイミングは悪くなかったはずですが、そもそもオーク南麻布(49%)を売却しているので、利益は下降していくところの今回の物件取得でしたし、物件の価格も安くないわけですから、公募増資で増えた口数の効果を上回っての利益の積み上げというものがなかなか難しいということです。

ただ、一方では、上場して規模の小さい新しい投資法人にとっては、規模拡大による運営に安定化は至上命題なので、前回のPOよりはずいぶん良かったということで、捉えておくのが暖かい見方です。

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