Real Estate Investment Trust
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先日、MIDリート投資法人(3227)の分配金に関するリリースが出ました。平成25 年6 月期の分配金を7,210から418へ下方修正するとの内容で、MIDリート投資法人を保有している方も、保有していない方にとっても、少なからずのインパクトはあったかもしれません。

特に、ここ最近は住宅系リートを中心に上方修正が一種の流れ的なものでありましたから、下方修正慣れしていないといったこともあったでしょうが、リーマンショック後に関して言いますと、下方修正はある意味やむを得ずといった時期もあったわけで、悪材料出尽くしとなる場面すらあったくらいです。

リーマンショック後の金融緩和進行場面では、金利の低下と稼働率の回復という側面が分配金の情報修正の根底にありました。オフィスというものは、そもそも6ヶ月かもしくはそれ以上前に解約通知が来るものでありますので、下方修正というよりも、普通に次期分配金の予定ということで、下方見通しとなることが多かったように思います。

その中で今回の下方修正ですが、これは物件の入れ替えによる売却損の計上によるものであります。つまり、リリースによると、パナソニック大阪京橋ビルを売却する際に1,318 百万円の損失が生まれるというものです。

そもそもパナソニック大阪京橋ビルとは、2月のリリースでもありますように、パナソニック株式会社に一棟貸しの契約となっていたものが、平成25 年5 月31 日付けで解約ということで、稼働率0%となる予定となっておりました。

今回は、結局新しいテナントが見つかる訳もなく、物件を売却し、他物件と入れ替えるという苦肉の策をとったということになります。幸いにもといいますか、MID都市開発株式会社から肥後橋MIDビルを譲り受け、巡航分配金の極端な低下はまぬがれています。

とはいえ、このリートのリスクはここが本丸ではありません。

[過去記事]
現在スリートップであるケネディクスR、MID、ジャパン・ホテル・リートの配当金利回り

とはいえ、個人的には、パナソニックが入居しているツインタワーリスク関電リスクがあるMIDリート投資法人(3227)に比べれば、ケネディクス・レジデンシャル投資法人(3278)の方がずいぶんとリスクがないように思えるのですが、このあたりのことはリスクの捉え方の違いでしょうか。

MIDリート投資法人(3227)のリスクの本丸は、ツイン21という旗艦物件におけるパナソニックリスクであります。投資比率が4割を超えるこの物件からパナソニックがごっそり抜けたときの衝撃は今回のそれとは比較になりません。

このため、MIDリート投資法人(3227)とパナソニックとの間で、賃料の減額やフリーレントスペースの設定とその延長など、分配金が減少しても残って貰った方がまし、という契約がいくつも締結されてきているのが現状です。

http://www.midreit.jp/news/press_2012-0216-00002.pdf

http://www.midreit.jp/news/press_2010-0430-00004.pdf

実際、このリスクを受けてか、他のリートが順調に上昇している最中でありました今年の1月から2月にかけましても、株価は22万止まりだったわけですが、3月の中旬以降、なんと29万をつける場面があり、この点がなんでも上がる相場であったわけです。

それにしても、長年このリートを見てきて、いつまでこのパナソニックリスクに付き合っていかなければならないのか、と思わざるを得ません。親玉である関電さんの関わりもほとんど現れてきませんし。関電もそれどころではないとは思いますが。

今回のような大型退去リスクというのは、オフィス系リートであれば、他のリートであっても大小あり得るわけですが、ツイン21レベルの大きさの爆弾を抱えたリートは、MIDリート投資法人(3227)が筆頭であると思いますので、これをもって、他のオフィス系リートも売ってしまえというのは、リーマン後ならありですが、今となっては時期はずれかと考えます。

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