Real Estate Investment Trust
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今回は、日本賃貸住宅投資法人(8986)を取り上げたいと思います。投資法人名だけで見るならば、とても真面目で実直なリートに思えるから不思議です。漢字ばかりだからですね。

日本賃貸住宅投資法人(8986)は、商号変更する前の名称をリプラス・レジデンシャル投資法人といいます。このことは、あまり投資法人のホームページ、例えば沿革のページとかには書いていません。触れて欲しくないんでしょうかね。

資産運用会社もリプラス・リート・マネジメントでしたが、ミカサ・アセット・マネジメントに商号変更しているよ。

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船出は、日の丸賃貸ビジネス連合

2006年の上場当時の資産運用会社の株主、投資法人のスポンサーは、株式会社リプラス、株式会社エイブル、株式会社ハウスメイトパートナーズ、その他いくつかの管理会社などでした。会社名だけ見ると、ちょっとしたプチ賃貸ビジネス連合ともいえそうですね。

リプラスとは

そのうちの7割近くの株を保有する株式会社リプラスは、賃貸住宅の滞納家賃保証システムの提供、不動産ファンドのアセットマネジメントなどを業務をしていました。

特に、賃貸住宅の滞納家賃保証契約システムは、最近かなり当たり前の制度になってきていますが、リプラスが設立された2002年当時は、まだそこまでではなく、まだまだ昔の保証人制度が生きていた時代だったと思います。

ですが、今後の高齢化社会を見据えて、必要とされる仕組みであることのは間違いがなく、先進的な取り組みであったことの評価は高かったはずです。

リプラス単独運営へ

リプラス・レジデンシャル投資法人のスポンサーについては、理由は定かではないのですが、2007年1月に、株式会社エイブル、株式会社ハウスメイトパートナーズ、その他いくつかの管理会社が抜け、ほぼ株式会社リプラス単独といった形になっていました。

その際、リプラスが解散!と言ったという、これまでの自身の功績をたたえるようなリリースも出ておりますが、エイブルがほかのみんなを連れて出ていったという可能性もあると思います。

賃貸ビジネスたちのリート事情

ちなみに、エイブルは同時期に、エイブル保証、CHINTAIなどを主要スポンサーとして、エイブルリート投資法人の上場を目指していましたから、こういう事情もあったのかもしれません。

当時、賃貸仲介系の法人がリートに参入することはトレンドの一つでした。スターツCo(8850)は、2005年にスターツプロシード投資法人(8979)を上場させ、アパマンショップHD(8889)も当時の東京グロースリート投資法人(今のインヴィジブル投資法人)の資産運用会社の親会社である(株)パレックスの全株式を所有するなどの動きがあったのです。

これらは、賃貸仲介をメインの事業とする業者ですから、リーシングを自社で進めることができるという強みがあり、同時に自社物件などの出口も確保できるという囲い込み的な戦略があったのでしょう。

ただ、このエイブルリート投資法人も2007年12月に上場取りやめとなっております。当時はすでにサブプライムローン問題の影響で併せてリートを売却する投資家などがおり、リート市場も低迷する中、新規上場銘柄についても、確実に公募価格割れするだろうと言われていたからです。

当時のリート市場は傾き始めていた

同じ月に米保険大手AIG系が上場を予定していたジェイリート投資法人、長谷工コーポレーションが明豊エンタープライズと上場準備を進めていたエコロジー・リート投資法人が同じく上場を取りやめ、翌月には、トーセイ(8923)がトーセイ・リート投資法人の解散(その後、2014年に上場)を発表するなど、続々とリートへの参入が見送られています。

とはいえ、トーセイが投資法人を解散した同じ年には、ニューシティレジデンスが破綻していますので、非常に的確な判断であったといえました。

結局のところ、エイブルリート投資法人は、その後戻ることもなく、消滅をしたようです。

なお、同じく上場を取りやめた組では、2014年トーセイ・リート投資法人(3451)が上場されていますし、ジェイリート投資法人も、インベスコに買収され、インベスコ・オフィス・ジェイリート投資法人(3298)として、くしくも同年上場となっています。

エイブルたちの行く末

少しエイブルたちのその後にもふれておきます。

2005年、エイブルら3社は、不動産ファンド事業を始めるため、アジリティー・アセット・アドバイザーズを設立し、また、エイブルリート投資法人を運用するエイブル・インベストメント・アドバイザーズを設立しておりました。

しかし、エイブルリート投資法人の上場を取りやめたことにより、エイブル・インベストメント・アドバイザーズは、ポラリス・インベストメント・アドバイザーズ株式会社、双日リートアドバイザーズ株式会社へと名前を変えて、日本リート投資法人(3296)の運用会社のとなっています。

また、アジリティー・アセット・アドバイザーズは、2009年には、すでにエイブル傘下から抜けておりましたが、2014年の日本リート投資法人(3296)の上場に関わっています。

資産運用会社の前身の大株主であり、現在も15%の株式を保有しています。ちなみに、自身は、2016年に、フィリップキャピタルグループの傘下入りとなっていました。

投資法人の周辺を見まわしていると、結局いろんなところでつながっているね。



 

リプラスの破綻

さて、リプラスは、家賃保証業務だけではなく、不動産ファンドのアセットマネジメント業務に注力していましたが、リーマンショックで業績不調となり、慌てて家賃保証業務に軸足を戻そうとしましたが、時は遅しとなり、2008年9月に破産手続きとなっています。

当時、家賃保証を受けていた大家さんなどは、家賃振込が遅延などかなりの混乱があったでしょう。

【倒産】リプラスが破産、負債総額325億7000万円(日経BP)
https://tech.nikkeibp.co.jp/kn/article/nfm/news/20080924/526464/

こうして、リプラス・レジデンシャル投資法人は、存続しているけれども、そのスポンサーは破綻するといった状況に陥ったのです。

倒産隔離の効果発動

ちなみに、スポンサーが破綻しても投資法人は破綻せずという仕組みは、倒産隔離といいまして、不動産の証券化に必須要件となっていることの1つです。

そうでなければ、せっかく証券化されて、流動性を確保したとしても、投資家が安心して出資することができないからですね。

その意味では、投資法人の仕組みの本領発揮だったんだけど、投資家としては、全然喜べなかったんですよ。

今回は、少し長くなりそうなので、日本賃貸住宅投資法人(8986)その2に続きます。外資登場で分配金半減、悶絶した投資家は、TOBに走る、です。

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