Real Estate Investment Trust
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今回は、住宅系リートのスターツプロシード投資法⼈(8958)の第21期(2016年10月期)決算をcheckしていきたいと思います。

決算説明会資料
http://www.sp-inv.co.jp/file/top_financial-a4ce16c1caa0f955eb30eee303de58bdde8c01d7.pdf

主な特徴など

スターツプロシード投資法⼈(8958)は、住宅特化型のリートです。スポンサーは、スターツコーポレーション株式会社となっており、スターツコーポレーション株式会社(8850)は、スターツCAM株式会社、スターツピタットハウス株式会社、スターツデベロップメント株式会社、スターツコーポレートサービス株式会社の持ち株会社です。

中でも、スターツピタットハウス株式会社は、ピタットハウスというショップ名で賃貸の仲介を取り扱っていますので、そのエリアにある物件の客付けは、優先的に行っているのではないかと、個人的に疑っているわけです。

この投資法人では、あまり高価格帯の賃貸は扱わず、民営借家(非木造)の全国平均賃料63,603円といったところの平均的な所得層を対象にした賃貸住宅を主要な投資対象としています。

また、エリア的には、首都圏主要都市に7割ということで、地方中心のサムティ・レジデンシャル投資法人(3459)とは異なる方針です。

上場は、2005年ということで、堂々の古参組であるわけですが、リーマンショックにも耐え、他の投資法人のように合併もせず、単独で淡々と運営をしてきました。もともと、ジャスダック銘柄であったこともあり(2010年に東証へ)、比較的個人投資家の比率多いが特徴です(最近では、金融機関の比率がアップし、過去の6割から4割に減少)。

直近の業績は?

では、第21期(2016年10月期)の業績を確認していきたいと思います。説明会資料の4ページに掲載されています。

(単位:百円)
第21期 第22期
実績 実績 前期比
営業収益 2,239 2,245 +6
営業利益 918 918 +0
経常利益 715 732 +17
当期純利益 713 730 +17
一口当たり分配金 4,104円 4,204円 +10

第21期(2016年10月期)は、物件の取得もなく、賃料も微増、支払利息も微削減ということで、よくいえば、安定した運営を行うことができたと言えるでしょう。

6ページにもありますが、地方都市物件の稼働率が9割程度に低下した関係で、稼働率が21期から22期にかけて低下してきていますが、地方都市の物件はそもそも3%程度(取得価格ベース)しか保有していないので、賃料総額は増えていますね。

今後の見通し

次に、続く第23期及び第24期の業績予想ですが、5ページに掲載されています。

(単位:百万円)
第22期 第23
(2017年4月期)
第24期
(2017年10月期)
実績 予想 前期比 予想 前期比
営業収益 2,245 2,984 +738 3,005 +21
営業利益 918 1,283 +365 1,275 △8
経常利益 732 1,080 +348 1,067 △12
当期純利益 730 1,078 +348 1,065 △12
一口当たり分配金 4,204円 4,200円 △4 4,150円 △50

第23期(2017年4月期)は、平成28年11月21日公募増資により、15物件を新規取得しており、営業収益が大幅増収です。

ちなみに、この公募は、11月14日リリースで151,320 円にて価格決定となり、同日の投資口価格155,200を結構下回りました。当時は、東証リートが1700付近と芳しくなく、タイミングとしては、あまりよくなかったようです。

公募価格が上回れば上回るほど、発行する投資口数(株式でいう「株数」)が少なくて済み、より希薄化せずに済むわけですが、結果的に、第23期(2017年4月期)の1口あたり分配金としては、4円減。続く、第24期(2017年10月期)では、マイナス50円ということで、予想されています。

保守的に見込まれてはいると思いますので、実績で第22期を超えてくるのだろうとは思いますが、大きく超えてくるようなインパクトは見込まれないかなと思っていますし、予想の時点で減配となっているのは、残念です。久々の大規模物件取得だったのですが、公募増資のタイミングを含め、微妙な結果になったといえそうです。

主な投資指標

最後に、主な投資指標です。

29.4.5現在の投資口価格149,700で、第23期の予想分配金4,200円が現状の巡航分配ペースではないかと仮定します。その場合、分配金利回りは、約5.6%となります。本決算時点でのNOI利回り(取得価格ベース)は、約5.8%です。また、japan-reitで公表されているNAV倍率は、0.78%です。

また、当期純利益と減価償却費の合計値であるFFOは、年間2,427,084千円でありますから、1口あたりFFOが13,966円となり、投資口価格の約9.3%です。

決算短信
http://www.sp-inv.co.jp/file/top_financial-836d437045d3b5b152e3edb811f90abf763888d6.pdf

賃貸NOI(半期) 1,699,402千円
取得価格総額 57,860,800千円
FFO(半期) 1,213,542千円
口数 173,777口

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