Real Estate Investment Trust
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今回は、シンガポール系ファンド会社であるRockrise Sdn Bhdを主なスポンサーとするホテル特化型のリートであるジャパン・ホテル・リート投資法人(8985)を取り上げます。

今は、ホテルリートは、たくさんあるけど、リーマンショック時は、2銘柄しかなくて、合併後は、このジャパン・ホテル・リート投資法人(8985)1銘柄になったんだよね。

ジャパン・ホテル・アンド・リゾート投資法人

ジャパン・ホテル・アンド・リゾート投資法人は、ゴールドマン・サックス・グループ、森観光トラスト(株)により、出資総額1億円で2005年9月8日に設立され、2006年2月15日に東証上場となりました。日本初のホテル特化型リートです。

神戸メリケンパーク オリエンタルホテル、オリエンタルホテル東京ベイ、なんばオリエンタルホテル、ホテル日航アリビラ、オリエンタルホテル広島の5ホテルを保有し、2009年には、宿泊等優待などJリート初の優待制度を取り入れています。

ラグジュアリーなホテルを運営していますね。業績連動型の賃料形式を採用している割合が高く、当時から景気に左右されやすい銘柄でした。

とはいえ、需要が極端に消失してしまったコロナショックとは、まったく違いますし、今日のこのような状況は誰も予想しませんでしたよね。

ホテル専門系リートのちょっとした歴史と激しい株価の変遷

なお、2006年12月に、早々と森トラストは、ゴールドマン・サックス・グループへ資産運用会社の株式を譲渡し、撤退しています。

そして、森観光トラスト(株)は、森トラスト・ホテルズ&リゾーツと名を変えて、森トラストとともに、森トラスト・ホテルアセットマネジメント株式会社を運用会社として、2017年に森トラスト・ホテルリート投資法人(3478)を上場させ、単独でリートの運営者に戻ってきました。

日本ホテルファンド投資法人

日本ホテルファンド投資法人は、2006年6月14日、東京証券取引所に上場されました。

上場時の運用資産規模は13物件、319億4750万円で、ビジネスホテルへの投資比率を50%以上に置きながら、リゾートホテルとシティホテルにも分散投資する方針でした。

運用会社のジャパン・ホテル・リート・アドバイザーズ(東京港区)のメインスポンサーは、カナダ系ホテルコンサルティング会社であるクリエーティブ・リノベーション・グループでしたが、共立メンテナンスも約25%出資していました。

その後、リーマンの荒波にもまれる中、メインスポンサーがマレーシア法人であるロックライズ社(RSB)へと変更になります。

ちなみに、このロックライズ社は、海外機関投資家の資金を基にアジアで不動産投資を行う投資ファンドですが、RECAPグループが出資する子会社です。

RECAPグループは、シンガポール、中国/香港、タイ、韓国等のアジアといった地域で、不動産投資やホテル運営を行っています。

29以上の国と地域で約103の場所にまたがるネットワークを持つグローバルな不動産運営会社シンガポールの大手不動産会社City Developments Limited(CDL)がこのRECAPグループの主な出資者の一つです。

この日本ホテルファンドは、ビジネスホテルも組み入れる比較的賃料固定制な感じです。

対して、ジャパン・ホテル・アンド・リゾート投資法人は、ラグジュアリーホテルによる変動賃料制の割合が高い傾向でした。

合併へ

ここまでが2つの投資法人の設立経緯でしたが、2012年4月に、旧ジャパン・ホテル・アンド・リゾート投資法人日本ホテルファンド投資法人とが合併しました。

ゴールドマン・サックス・グループがRECAPグループに資産運用会社及びホテル運営会社の全株式を売却し、ゴールドマン・サックス・グループとしては撤退した形になっています。

他に共立メンテナンスとオリックスもスポンサーとして残っていますね。

ホテルREIT、2社が合併(日本経済新聞)

JH&R投が8カ月ぶり上昇率、日ホテ投との合併発表(ブルームバーグ)

その後は、オリンピック需要の見通しも手伝って、順調そのものでした。

余談ですが、わたしtisanもホテル銘柄好きが高じて、当時保有していたリートの中でもかなり比重を置いていました。当時の浮かれ具合は以下のとおりです。

ジャパン・ホテル・リート投資法人(8985)が年初来高値を連日更新で一人旅。

【オリンピック関連】国内ホテル不足報道からのホテル系関連銘柄の値動きなど。

これらを売却した資金をもとに現物不動産投資へと資金を移していったのです。

(ただ、わたしの場合は、現物不動産に資金を移しすぎました。分離課税である株式投資という制度はやはり有利です。)

良くも悪くも利益幅と損失幅が大きいのがホテル銘柄です。2016年には、投資口価格10万を超えましたが、2020年のコロナショックでは、3万を下回るところまで下落しています。

コロナショックは、特別なケースですね。とはいえ、ホテル銘柄は、他のセクターよりも振り幅が大きくなる傾向があることは確かです。

ホテル銘柄は、好景気には、買い、不景気には売りという認識ですが、肝心なのは見通しです。

足元が最悪でも今後回復する見通しがあるなら、買いです。

その見通しは、数値として、資料から読み取れるものである必要があります。

今は苦境に立たされているホテルからですが、いつかは魅力的なセクターになり得るでしょう。

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